ベイリーフの効果効能や使い方などを解説
爽やかな香りを持つベイリーフ、とくに西洋の料理でよく使われており、スープや煮込み料理には欠かせない存在です。
実はベイリーフはさまざまな効果効能を持っており、食用や飲用以外にも使い道が豊富です。今回はベイリーフの効果効能について、使い方や副作用などをまとめました。
ベイリーフとは?
まずはベイリーフとはなにか、基本的な知識をご紹介します。この記事ではベイリーフ=月桂樹やローリエの別名として扱って解説します。
ベイリーフは月桂樹の葉
ベイリーフとは月桂樹の葉のことで、別名ローリエとも言います。
カレー用の角切り牛肉のパックに同封されていることが多く、煮込み料理の際に臭みを消したりする効果があります。
月桂樹とは?
月桂樹とはクスノキ科ゲッケイジュ属の常緑樹で、英語では「Noble Laurel(ノーブル・ローレル)」と呼ばれています。中国語に訳した言葉「月桂樹」を音読みした和名がつけられており、地中海沿岸地域が原産です。
地中海沿岸の広い地域で育てられていますが、寒さに強く日本でも栽培可能です。日本では関東から九州までの範囲で栽培されることが多く、海岸や屋上など悪条件の中でも丈夫に育つのが特徴として挙げられます。
ベイリーフは乾燥させて使うのが基本
ベイリーフは月桂樹の葉を乾燥させたものです。実は、生のベイリーフをそのまま使用することはほとんどありません。
理由は生のベイリーフは渋みや苦味が多く、生で使うと味の邪魔になってしまうからです。こういったハーブ類の渋みや苦味は臭み消しに使えますが、生のベイリーフだと渋みが強すぎて逆効果が働いてしまいます。
ベイリーフは乾燥させて使うことで渋みや苦味が飛び、風味を豊かにする効果が発揮できるのです。
ベイリーフとローリエの違い
ベイリーフ(月桂樹)とローリエは、日本では同じものとして扱われることが多いです。しかし一部インディアンベイリーフと呼ばれるベイリーフは、月桂樹やローリエとは違うものです。
月桂樹やローリエは月桂樹の葉を意味し、インディアンベイリーフはニッケイの葉を指します。月桂樹もニッケイもクスノキ科の植物であることは間違いないですが、出自が複雑なためややこしくなっています。
インディアンベイリーフと書かれているのはニッケイ、何の表記もないベイリーフは一般的には月桂樹(ローリエ)と覚えておけばいいでしょう。
インディアンベイリーフの見分け方は葉脈を見ると簡単に見分けられます。インディアンベイリーフは葉脈が縦に走り、月桂樹やローリエは一本の葉脈から枝分かれする形状になっています。
ベイリーフの効果効能4つ
ベイリーフには、多様な栄養分が含まれています。主な栄養素はビタミンB1やB2、香り成分シオネールやオイゲノール、ピネンやサビネンなどです。
ここではベイリーフに含まれている栄養成分や、効果効能について4つ紹介します。
①消化を助ける
ベイリーフに含まれる香り成分シオネールやゲラニオールは、消化を助けて食欲を促す効果があります。胃液の分泌を促すので消化吸収がしやすくなり、胃のムカつきを抑えてくれます。
胃のトラブルが改善されると、自然と肝臓や腎臓の働きにもつながります。消化器全般に効果が期待できるので、疲労感の軽減に役立ちます。
食欲がないときに効果的な香り成分なので、スープや煮込み料理を作る時に香りを楽しみながら作ってみましょう。
②抗菌・抗酸化作用
ベイリーフは、他のハーブと比較しても抗菌や抗酸化作用が強いハーブです。その効果はサルモネラ菌や大腸菌にも対抗できるほどで、食中毒予防効果も期待できます。
また体内に増えた活性酸素を取り除く抗酸化作用があるので、アンチエイジングにも効果的です。血管の老化を防ぎ、生活習慣病やガン細胞の増加を抑えてくれるので、若々しい体をキープしたい方におすすめです。
③抗炎症作用
ベイリーフに含まれるビネンやサビネンと呼ばれる香り成分には、抗炎症作用があります。炎症が抑えられることで関節痛などの痛みを和らげたり、ニキビなどの赤みを引かせる効果がるといわれます。
この抗炎症作用は食用としてスープや煮込み料理に入れるだけでなく、お茶として飲んだり入浴剤として使っても効果を発揮します。リウマチ、神経痛、生理痛など幅広い痛みや炎症に効果があるといわれるため幅広く活用しましょう。
④防虫効果
ベイリーフは防虫効果もあり、置いておくだけでその香りを嫌がって虫が寄ってきません。効果的な使い方はお米の保存に使うことです。
米びつに入れておくだけで虫よけになりすが、唐辛子のさやも一緒に入れておくとさらに防虫効果がアップします。食用として販売されている唐辛子での防虫は、副作用などの心配がないので安心して使えます。
ベイリーフの使い方
ベイリーフの香り成分は効果が高く、幅広い使い道があります。ここではベイリーフを効果的に使える方法を5つご紹介します。家に余っているベイリーフがあれば、ぜひ活用してください。
香り付け・風味づけ
ベイリーフはフランスの煮込み料理などに入れるブーケガルニにも使われています。ブーケガルニとは煮込み料理の香りや風味づけをする時に加えるハーブの束を意味し、ベイリーフはフランス料理にとって欠かせない存在といえます。
ベイリーフを入れることで煮込み料理のスープが風味豊かになり、本格的で香り高い料理に仕上がります。
臭み消し
ベイリーフはとくに肉や魚の煮込み料理に使われますが、これは肉や魚独特の臭いを消すためです。魚料理をはじめとして、レバーなどの内臓系の生臭さを消すために使われます。
いやな臭いを消すだけでなく、ベイリーフのほのかな風味が食欲を促進します。
お茶
ベイリーフはお茶として飲むだけで効果や効能を感じられます。作り方は、乾燥させて洗ったベイリーフを水から10分ほど煮出すだけです。
緑茶のような濃い色は付きませんが、爽やかな香りが漂うハーブティーに仕上がります。煮出しすぎると渋みや苦味が強くなるので、強い風味が苦手な人は煮出す時間を加減しましょう。
虫除け
虫除けに効果を発揮するベイリーフは、服の防虫にもおすすめです。使い方は風通しのいい小袋にベイリーフを入れて、クローゼットの中のハンガーにかけるだけです。
また引き出しの中で畳んで保管している洋服の間に挟んでも効果があるでしょう。衣替えの季節にはベイリーフで防虫しながら保存しましょう。
入浴剤
抗炎症作用のあるベイリーフは、入浴剤としても使えます。ガーゼなどで包むか布の袋にベイリーフを100gほど入れて、湯船に浮かべるだけでリラックス効果のあるベイリーフ風呂になります。
湯船の中でベイリーフを揉むと香りも引き立ってより効果を感じられるでしょう。ベイリーフの抗炎症作用が健やかな肌に導きます。
ベイリーフの副作用
天然のハーブであるベイリーフは、特筆すべき副作用は報告されていません。
しかし月経を促す作用があるといわれるため、妊娠中や生理中は控えるようにしましょう。
厳密にベイリーフを摂ってはいけないわけではないですが、体調に作用する可能性がゼロではないため控えたほうが無難です。
またベイリーフがまれに皮膚炎や湿疹の原因になることもあります。心配な方や体調が良くないときは、摂取を控えたほうが安心です。
ベイリーフに限らずどんなハーブも、摂り過ぎると思わぬトラブルを引き起こすことがあります。過剰摂取とタイミングに気をつけていれば、そこまで副作用を心配しなくていいハーブといえます。
ベイリーフの良い効果はさまざまな方法で活用できる!
ベイリーフのさまざまな良い効果は、食用や引用だけにとどまりません。防腐剤や入浴剤としても活用できるので、月桂樹を剪定してたくさん葉があるならいろいろと使い道を試してみてください。
ハーブならではの穏やかな作用は、サプリメントなどが苦手な方にもおすすめです。幅広い効果効能が期待できるベイリーフで、健やかな毎日を目指しましょう。
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