煎茶のカフェイン量って多いの?適量や飲むシチュエーション別に解説
毎日、コーヒーや紅茶、烏龍茶を飲みますが一番多く飲むのが煎茶ではないでしょうか。
紅茶や烏龍茶、緑茶(煎茶)はもともとチャノキから摘み取った茶葉から作られていますが、茶葉を発酵させたものが「紅茶」中間程度に発酵させたもの(半発酵)が烏龍茶になります。
茶葉は摘み取ると酸化が進みますが、緑茶は加熱することで酸化を止め加工した茶葉を使用しています。
「日本茶」「玉露」「煎茶」「玄米茶」「ほうじ茶」などがありますが、それらは「緑茶」の一種です。
「日本茶」は国産茶葉を国内加工したもの「玉露」は茶葉を収穫する前に日に当てないようにしたもの「玄米茶」は煎った玄米を茶に加えたもの「ほうじ茶」は茶葉を焙煎したものです。
他にも茶葉が採れた産地により名前がついているものもありますが、それらも「緑茶(煎茶)」になります。
大まかに言えば緑茶というカテゴリーの中で「玉露(栽培方法が違う)」と「煎茶」に分かれている感じです。
煎茶は茶葉を使用しているため「カフェイン」が含まれています。
煎茶のカフェイン量や妊娠中の摂取量、どんなシチュエーションで飲めばよいのか、また、飲まないほうが良いシチュエーションを解説します。
煎茶のカフェイン量はどれくらい?
お茶の種類 | カフェイン量 | お茶の量 |
コーヒー(浸出液) | 60mg | 100 mL |
紅茶(浸出液) | 30mg | 100 mL |
玉露(浸出液) | 160mg | 60 mL |
煎茶(浸出液) | 20mg | 100 mL |
ほうじ茶(浸出液) | 20mg | 100 mL |
烏龍茶(浸出液) | 20mg | 100 mL |
玄米茶(浸出液) | 10mg | 100 mL |
抹茶(粉末) | 48mg | 70 mL |
参考サイト:日本食品標準成分表2020年版(八訂)全体版
煎茶のカフェイン量はコーヒーの三分の一
上記の表のように煎茶のカフェイン量はおおよそコーヒーの1/3です。
ほうじ茶や烏龍茶と同じ程度だと思っていてください。
ただしペットボトルで販売されている煎茶の場合はカフェイン量はさまざまです。
例えばサントリーの「伊右衛門」だと100mlあたり約10g、キリンの「生茶」も100ml中10ng、アサヒ飲料「なだ万」の場合は、430ml入りは100ml中15mg、275ml入りは100ml中20mgとなっています。
カフェイン量はメーカーにより記載がない場合もあります。
気になるかたは記載のある煎茶を選ぶのが良いでしょう。
煎茶だけなら1日2リットル以内が適量
一日に摂取するカフェイン量は健康な成人で約400mgといわれています。
もし一日に「煎茶」だけ飲むのであれば2リットル以内に収めるのが良いでしょう。
煎茶と烏龍茶、ほうじ茶を飲む場合でも合わせて2リットル以内になりますが、コーヒーも飲むのであればその分煎茶を飲む量を少なくする必要があります。
煎茶のカフェインを減らすなら水出しがおすすめ
自宅で煎茶を淹れる場合にカフェイン量を減らすには水出しがおすすめです。
煎茶に含まれているカフェインは熱いお湯だと溶けやすく60℃以上かか増え80℃でマックスになります。
特に冷蔵庫の冷たい水で煎茶を淹れるとカフェイン量は約半分になり、氷で水を0℃に近づけるとさらにカフェイン量がその半分になると言われています。
できるだけ低い温度でゆっくりと淹れるとカフェイン量は減るでしょう。
普通に淹れた煎茶を冷蔵庫で冷やしてもカフェイン量は減りません。
あくまでも「水出し」で淹れた場合なので注意してください。
参考サイト:農林水産省 緑茶の美味しさと機能性を両立する「水出し緑茶」
煎茶をどのくらい飲むとカフェインオーバーになるの?
最大摂取量/1日 | 参考機関名 | |
健康な成人 | 400mg 400mg | 欧州食品安全機関(EFSA) カナダ保健省 |
妊婦 | 300mg 200mg 300mg | 世界保健機関(WHO) 欧州食品安全機関(EFSA) カナダ保健省 |
授乳中 | 200mg | 欧州食品安全機関(EFSA) |
子供(4~6 歳) | 45mg | 〃 |
13 歳以上の青少年 | 2.5 ㎎/kg体重 | 〃 |
妊娠中・授乳中は200~300mgが無難
世界保健機関、欧州食品安全機関、カナダ保健省などでは妊娠中、授乳中のカフェイン摂取量は200~300mgとされています。
湯呑茶碗(約150ml)で煎茶を飲むと一日に7~10杯、マグカップ(約250ml)で飲むのであれば一日に4~6杯程度にしましょう。
一日に「煎茶」だけを飲むわけではありませんので、自身が飲んでいるカップの容量からカフェイン量を割り出し計算するのもおすすめです。
1日の摂取量を超えないように注意
一日の始まりにコーヒーを飲む方は多いでしょう。
コーヒーは淹れ方や豆の焙煎の仕方でもカフェイン量が変わりますが、100ml中およそ60mgです。
250mlのマグカップだと150mgになりますので、他の飲み物と煎茶を合わせて一日400mgの摂取量を超えないように注意してください。
一度、一日に飲む飲料の量とカフェイン量をだいたい調べて、400mgよりオーバーしているようであれば少し控えて、ノンカフェインの飲み物に変えるのもよいでしょう。
煎茶のカフェインがおすすめ・注意なシチュエーション
煎茶を飲むとよいおすすめのシチュエーションと飲まないほうがよいシチュエーションを解説します。
効果的に煎茶を摂るために参考にしてください。
煎茶を飲むおすすめシチュエーション
煎茶にはカフェイン以外にも有効な成分が多く含まれています。
摂取すると良いシチュエーションを理由とともに解説します。
就寝する1時間前
煎茶には様々なアミノ酸が含まれていますがうま味成分である「テアニン」には、リラックス効果や睡眠の質を向上させる効果があります。
テアニンは交感神経を抑制する効果があるため緊張を和らげストレスを緩和しリラックスできるといわれています。
睡眠に関しては寝つきが悪い、中途覚醒や早期覚醒する、睡眠時間が足りていないなど人それぞれの悩みがありますが、実験ではテアニンを就寝する前に摂取した場合、寝つきが良くなり中途覚醒の改善やよく眠れたなど睡眠の質が向上している結果がでています。
テアニンはカフェインが多いと上手く機能しません。
煎茶には80ml中10mg含まれていますが、これを水出しにするとカフェイン量が減りさらにテアニンを抽出できるでしょう。
就寝1時間前に水出しした煎茶を飲むのがおすすめです。
朝茶ですっきり
朝に飲むお茶は縁起や身体によいと昔からいわれています。
前述した「テアニン」には起床時の疲労感を和らげる効果も期待できます。
また煎茶に含まれるカフェインには覚醒作用があるため目覚めもスッキリできるでしょう。
コーヒーのカフェインで眠気をとる方も多いのですが、コーヒーはカフェイン量が多いため胃に負担をかけるため、煎茶の苦みや渋みで覚醒するのもおすすめです。
朝の煎茶でカフェイン量をマックスにしたい場合は80℃程度のお湯で淹れると良いでしょう。
煎茶を飲まないほうがいいシチュエーション
煎茶はさまざまな効果が期待できますが、飲まないほうがよいシチュエーションもあります。
多く作りすぎたとき
茶葉にはタンパク質が含まれていて、細菌などが分泌する酵素で分解し腐敗します。
冷やしてから乾燥させると細菌の活動は低下するのですが、淹れた煎茶は乾燥できないため腐敗が進むでしょう。
そのため、自分で茶葉から淹れた煎茶は常温では日持ちしません。
多く作りすぎた場合は必ず冷蔵庫で保管し早めに飲むようにしましょう。
空腹時
煎茶にはカフェインとカテキンが含まれています。
カフェインとカテキンはどちらも胃を刺激し胃酸の分泌を促す物質です。
空腹時、胃が空の状態で胃酸が大量に分泌されると胃が荒れて痛みが出る可能性があります。
空腹時や胃が痛いときには煎茶やカフェイン量の多い飲み物は控えたほうがよいでしょう。
煎茶のカフェイン量に気を付けて美味しく飲もう!
煎茶に含まれるカフェイン量や一日の摂取量を解説しました。
カフェインやカテキン、テアニンは必ずしも悪いものではなく身体に効果もある成分です。
一日のカフェイン摂取量400mgをオーバーしないよう気をつけて美味しく飲んでください。
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