クローブに含まれるオイゲノールの効果・効能を解説!

クローブやシナモンを嗅ぐと感じる独特の甘くてちょっと爽やかな香り、その香りはほとんどオイゲノールによるものです。
オイゲノールは、独特な香りが料理の香り付けや臭み消しに使えるだけでなく、健康に対する効果効能も優れたものを持っています。
今回は、オイゲノールの効果効能について、1日の摂取量やメリット・デメリットも含めて解説します。
オイゲノールとは?

オイゲノールとは?
- スパイスに含まれている香り成分
- 歯医者さんっぽい香りが特徴
- 料理で臭み消しに良く使われる
オイゲノールとは、数多くのスパイスに含まれる香りの成分のことです。
無色透明の液体で、独特の香りを持っています。
オイゲノールの香りは「歯医者さんっぽい香り」が最もわかりやすいです。
というのも、歯科ではオイゲノールを使った鎮痛剤が良く使われているからです。
この効果効能については、後ほど詳しく解説します。
クローブに含まれる精油成分
オイゲノールはクローブ、シナモン、ローリエなどのスパイスに含まれている香り成分です。
スパイスに限らず、バジリコなどのハーブ、バナナなどの果物にも含まれています。
含有量が多い代表的なスパイスはクローブで、精油の70~95%近くはオイゲノールです。
オイゲノールの香りは料理との相性抜群
オイゲノールはクローブの香り成分のほとんどを占めており、独特の甘さと爽やかさを持っています。
この香りは、実は料理とも相性が良く、洋食で良く使われています。
クローブはそのまま食べると刺激の強い辛みがあるので、最後に取り除きましょう。
肉料理の臭み消し
肉料理の獣臭さは、クローブのオイゲノールの力で抑えることができます。
ポトフ、ビーフシチュー、カレーなどによく使われます。
そのまま入れてしまうと取り除きにくくなるので、玉ねぎや人参に十字に包丁を入れ、その切込みにクローブを挟んで煮込むのが一般的です。
そして、盛り付けや食べるときにクローブを取り除いて食べます。
フルーツ・ドリンクのアクセントに
オイゲノールは甘さのある香りなので、フルーツと組み合わせて使うこともあります。
マサラチャイはもちろん、アップルサイダーやホットワインなどを加熱するときに使えます。
また、焼きリンゴに十字に切り込みを入れ、そこに刺して加熱すると香り付けしつつトロリとした焼きリンゴになります。
リンゴはとくにクローブと相性が良いので、アップルパイのリンゴを煮込むときにも活躍します。
オイゲノールの効果・効能4つ
それでは、オイゲノールの主な効果効能を4つ見てみましょう。
①抗菌、殺菌作用
①抗菌、殺菌作用
- クローブを水で煮出したものは喉の殺菌に使える
- 口臭予防にも効果を発揮
オイゲノールにはすぐれた抗菌、殺菌作用があります。
例えば、クローブを水で煮出し、オイゲノールを抽出すると喉の粘膜の細菌に対して抗菌作用が働きます。
また口臭予防にも効果的で、口の中のイヤな匂いの原因である細菌を抑えてくれます。
クローブをそのまま食べることは稀ですが、先端の丸い部分を奥歯で噛むと爽やかで甘い香りが広がるうえ、口臭を防いでくれます。
②鎮痛効果
②鎮痛効果
- 歯痛や歯肉炎の痛みを抑えるのに使われる
- 頭痛や関節炎にも効く
- 炎症も抑える
実はオイゲノールは「ユージノール」と呼ばれる歯肉炎などに使われる薬の主成分です。
このユージノールは高い鎮痛効果があり、虫歯治療や歯痛を抑えるために用いられています。
また、歯痛だけでなく、頭痛や関節炎の症状を緩和するとも言われています。
オイゲノールは抗炎症作用もあるため、痛みを抑えつつ炎症を緩和してくれます。
③ストレス軽減効果
③ストレス軽減効果
- 副交感神経が優位になる
- ストレスホルモンの分泌を抑える
- 睡眠の質を高める
オイゲノールの香りを嗅ぐと、副交感神経が優位になってリラックスできることはわかっています。
動物実験においても、オイゲノールがコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を抑えるとの結果が出ています。
また、オイゲノールは神経伝達物質として機能するアミノ酸GABAに作用し、ストレスを軽減して睡眠の質を高めるとも言われています。
④抗酸化作用
④抗酸化作用
- 活性酸素を撃退
- アンチエイジングや生活習慣病予防に
オイゲノールには抗酸化作用もあり、活性酸素を撃退してくれる働きがあります。
活性酸素は、体内に取り入れられた酸素の1部が活性化してできた物質のことです。
ウイルスなどを攻撃する役割もありますが、活性酸素が増えすぎると健康な細胞まで傷つけ老化や生活習慣病を引き起こします。
抗酸化作用はこういった活性酸素を抑制することで、アンチエイジングや若々しい血管を保つ働きのことを指します。
オイゲノールの1日の摂取量
オイゲノールの1日の摂取量
- 過剰摂取は下痢や痙攣の原因に
- クローブ大さじ2杯ほどが目安
- サプリメントや漢方薬を飲むときは注意
オイゲノールは、1日の摂取量が明確に決まっているわけではありません。
しかし、過剰摂取すると痙攣や下痢を引き起こす報告もあるため、摂りすぎは危険です。
クローブで摂取するなら、1日大さじ2杯程度までが許容摂取量の目安です。
オイゲノール自体香りが強いので、よほどのことがない限り過剰に摂取することはありません。
しかし、クローブやシナモンなどを使ったサプリメントや漢方薬を摂取するときには十分注意してください。
オイゲノールのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・クローブの精油でカビ予防 ・冷えからくる不調を和らげる | ・妊娠中・授乳中の人の過度の使用は控えたほうがいい ・ペットへの影響 |
ここではオイゲノールの効果効能以外のメリットやデメリットについて解説します。
オイゲノールのメリット
オイゲノールは、その高い効果効能から日常生活でも役立つ成分です.
クローブの精油でカビ対策
オイゲノールの高い抗菌作用は、カビ菌にも効果を発揮します。
エアコン内部のカビや湿気の多い季節にできたカビは、吸い込むことでアレルギー性鼻炎などを引き起こします。
アロマディフューザーにクローブの精油を使えば、オイゲノールの抗菌作用によって部屋の中のカビの発生を抑えてくれます。
冷えからくる不調を和らげる
オイゲノールには高い抗酸化作用があることは解説しましたが、この抗酸化作用は冷えにも効果的です。
抗酸化作用によって血管が強くなると、熱やエネルギーを運びやすくなるので冷えを改善してくれます。
オイゲノールのデメリット
一方、オイゲノールは妊婦やペットには適さない可能性もあるので注意が必要です。
妊娠中・授乳中の人の過度の使用は控えたほうがいい
クローブを含むスパイス類は、妊娠中や授乳中の人は避けたほうが良いと言われています。
オイゲノールも妊婦への安全性がはっきりとわかっていないため、使うなら香り付け程度にしてサプリメントは避けましょう。
ペットへの影響
オイゲノールは人間に対しては大きな危険性はないとされていますが、犬や猫、鳥などには嘔吐や下痢を引き起こすとされています。
ペットを飼っている場合は、料理の香り付けに使う程度にとどめ、アロマ目的では使わないようにしましょう。
オイゲノールは生活のあらゆる場面で役に立つ!
オイゲノールは高い抗菌作用と抗酸化作用があり、香り付けだけでなく健康効果にも期待できます。
オイゲノールの含有量が多い代表的スパイスはクローブですが、シナモンにも多く含まれているので組み合わせて使うとより香りが引き立ちます。
日常生活において料理やアロマなど様々な場面で役立つオイゲノール、ぜひ活用してみて下さい。
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