ほうじ茶のメリット・デメリットを紹介
ほうじ茶は茶葉を高温で濃い茶色になるまで炒めたお茶で香ばしいのが特徴です。
タンニンがすくないため、苦みや渋みを感じにくくすっきりとした味わいは、さまざまな料理との相性も良いでしょう。
また、煎茶と比べるとカフェインも少ないので、子供からお年寄りまで安心して飲むことができます。
ミルクティーとしても楽しめるほうじ茶はメリットも多いのですが、反面デメリットもあります。
ほうじ茶のメリットとデメリット、飲み過ぎによる注意点などを解説しますので参考にしてください。
ほうじ茶のメリット・デメリット一覧表
メリット | デメリット |
・集中力アップ ・リラックス作用 ・抗酸化・抗菌作用 ・高血圧予防 ・冷え性改善効果 | ・睡眠障害 ・発がん性リスク |
ほうじ茶のメリット5つ
飲みやすく香ばしい香りがホッとするほうじ茶は老若男女問わず親しまれています。
高温で茶葉を炒めているため、栄養素も豊富です。
ほうじ茶を飲むことで得られるメリットを5つ詳しく解説します。
①集中力を高める
お茶のうま味と甘味はアミノ酸の一種であるテアニンが含まれているためです。
テアニンは玉露や緑茶をはじめ紅茶にも含まれているお茶特有の成分ですが、心身をリラックスさせたり集中力を高めたりするメリットがあります。
テアニンは、茶が土壌の窒素化合物を吸収して成長するときに含まれます。
特に一番茶に多く含まれるため、玉露に比べるとほうじ茶は少な目になりますが、高温で炒めるほうじ茶はカフェインも減少します。
カフェインが少なくなるとテアニンの効果が高くなるため集中力もアップするでしょう。
②脳をリラックスさせる
ほうじ茶は茶葉を高温で焙煎しますが、その方法はガスや赤外線、炭火など工場によりさまざまです。
茶葉にはアミノ酸と糖が含まれていて、焙煎したときに「ピラジン」という成分が作られます。
ピラジンには血流を良くしたり脳をリラックスさせる効果があるといわれます。
ほうじ茶は落ち着いた気分にさせる香ばしい香りが特徴ですが、その成分がピラジンです。
ピラジンはコーヒーやココア、ローストしたナッツなどにも含まれています。
③抗菌作用
お茶には独特な苦みや渋みがありますが、それはポリフェノールの一種であるカテキンによるものです。
カテキンには抗酸化作用や抗菌作用があることががわかっています。
活性化酸素は細胞を酸化させるため病気や老化の原因となっていますが、カテキンには活性酸素を除去する働きをもち病気や老化の予防に期待できるでしょう。
また、カテキンの抗菌作用はインフルエンザや食中毒菌、ピロリ菌の増殖を抑える働きもあるため、食中毒や胃潰瘍、感染症などを予防できる可能性もあるといわれています。
参考サイト:e-ヘルスネット「抗酸化物質」
④高血圧予防
動脈内で圧力が一定状態高いと「高血圧」となり、負担のかかっている血管は傷ついたり柔軟性がなくなったりして動脈硬化が起こります。
動脈硬化が起きると心臓病や脳卒中などさまざまな病気を引き起こす可能性が高くなるでしょう。
ほうじ茶にはカテキンとテアニンが含まれていて、どちらも血管を拡張させる働きがあります。
血管が拡張すると血管内の圧力も低下するため、血圧が下がる働きが期待できます。
⑤冷え性改善
脳をリラックスさせる効果のあるピラジンには、血流をよくする働きも期待できます。
冷え性になるのは、血液の流れが悪く毛細血管にあたたかな血液が流れないというのも原因のひとつです。
ピラジンには血管拡張作用もあるため、血行を良くし冷え性の改善にも効果があるでしょう。
ほうじ茶のデメリット2つ
メリットが多いほうじ茶ですが、2つデメリットもあります。
①眠れなくなる
ほうじ茶に限らず緑茶やコーヒー、紅茶にはカフェインが含まれています。
カフェインには、疲労回復や鎮痛作用、眠気覚ましといった効能に加え、胃液の分泌を促進させる作用もあります。
眠気を抑えて集中できるといったメリットもありますが、カフェインをとりすぎるとカフェイン中毒などになる可能性も高いので注意が必要です。
ほうじ茶はコーヒーや紅茶と比べるとカフェインは少な目です。
しかし、少ないからといって眠る前に飲み過ぎると眠れなくなる可能性があるでしょう。
ほうじ茶に含まれるピラジンは血流をよくし身体を温めたりリラックスさせる効果があります。
カフェインが効く・効かないは人それぞれなため、自身とカフェインとの相性を見て飲むのがおすすめです。
②発がんリスクがあることも
ほうじ茶にはアクリルアミドという成分が含まれています。
茶葉を焙煎したり食べ物を熱したりすると発生するアクリルアミドは発がん性物質といわれています。
厚生労働省では、食べ物から摂取したアクリルアミドの発がん性のリスクは明確ではないとなっていますが、100%安全とは言えないでしょう。
ただ、アクリルアミドはポテトチップスやフライドポテトなどにも含まれています。
食べ物のアクリルアミドをすべて避けるのは難しいかもしれません。
心配な方はほうじ茶も適度に飲むのが良いでしょう。
参考サイト:厚生労働省「加工食品中のアクリルアミドについて」
ほうじ茶を飲みすぎるとどうなる?
どんなことでも「過ぎる」というのはリスクがあります。
ほうじ茶を飲み過ぎた場合のデメリットを解説しますので参考にしてください。
カフェイン中毒の危険
お茶やコーヒー、紅茶といった飲み物にはカフェインが含まれています。
カフェインにはメリットもありますが、飲み過ぎるとカフェイン中毒になる可能性があります。
カフェイン中毒とは、動悸や手足が震える、めまいがしたり不安を感じたりします。
また、消化器系を刺激するため、下痢や胃痛、腹痛に吐き気や嘔吐といった症状も起こるでしょう。
カフェインは人それぞれ違いますが、1日の摂取量が最大400mg、一度では200mgが目安とされています。
コーヒーのカフェイン量はインスタントコーヒーでおよそ57mg、ほうじ茶の場合は20mgです。
コーヒーよりもカフェイン量は少な目ですが、だからといって飲み過ぎには注意しましょう。
貧血の危険
お茶やコーヒーなどにはタンニンが含まれています。
タンニンの一部にカテキンが含まれているため、タンニンとカテキンはほぼ同じです。
タンニン・カテキンには抗酸化作用があり動脈硬化を防ぐ効果もありますが、鉄分の吸収を防ぎ貧血を起こす可能性があるため、食事中の過剰摂取には注意が必要です。
貧血になるとめまいや立ち眩み、頭痛や息切れを起こします。
鉄分の補給は食べ物だけでは難しいため、貧血の症状が出やすい人はほうじ茶などタンニン・カテキンが含まれているものは注意してください。
妊娠中や子供は注意
カフェインは身体にさまざまな影響を与えます。
妊娠中の方が摂取しすぎると流産や早産、子供が低体重で生まれる可能性があるという報告もあります。
また、小さな子供が飲むと眠れなくなる場合もあります。
ほうじ茶のカフェイン量は、他のお茶と比べた場合少な目です。
それほど過敏になる必要はありません。
ただし、妊娠や授乳中の場合は1日に700~800ccまでにするのが良いでしょう。
参考サイト:厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」
ほうじ茶は飲みすぎ注意!メリット・デメリットを知ろう
ほうじ茶のメリット・デメリット、飲み過ぎた場合のリスクと解説しました。
ほうじ茶は気分をほっとさせる香ばしい香りが人気で、食事中にとる方も多いでしょう。
ほうじ茶のカフェイン量はおよそ20mg、タンニンの量はおよそ40mgとなっています。
他のお茶に比べるといずれも少ないのでそれほど過敏になる必要はありません。
どんなことでも「過ぎたるはなお及ばざるが如し」です。
メリットとデメリットを知り、適量を楽しんでください。
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