カルダモンとシナモンの違い
カレーや肉料理の臭い消しにも使われるカルダモンと、お菓子やドリンクに使われるシナモンの違いは一体どこにあるのでしょうか。
今回はカルダモンとシナモンの違いを、特徴や使い方なども交えて詳しく解説していきます。
またカルダモン・シナモンの過剰摂取による注意点も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
カルダモンとシナモンの違い
カルダモンとシナモンの違いを解説していきます。
それぞれの違いを知って、料理やドリンクを美味しくしましょう。
カルダモンの特徴
カルダモンは一体どのようなスパイスなのでしょうか。
ここからは、カルダモンの特徴を詳しく解説していきます。
3,000年以上の歴史を持つ
カルダモンはインド南部やスリランカに分布し、高度750~1500m程の所に生息する多年草で、主に種子部分をスパイスとして利用します。
インド・スリランカの伝統医学「アーユルヴェーダ」によると、カルダモンは3000年も前から生薬として用いられていたとされおり、消化吸収の助けや肥満を予防する薬として愛用されていました。
カルダモンの栽培は難しく希少価値が高いため高値で取引されたことや、爽やかで上品な香りからスパイスの女王と呼ばれています。
カルダモンの味
カルダモンは柑橘系の爽やかですっきりとした香りが特徴ですが、噛むと苦くピリッとした辛みもあるため、そのまま食べるのはおすすめしません。
カルダモンを料理に使用した際は、食べる時に取り除くかパウダータイプで香りづけするのがおすすめです。
カルダモンの効果・効能
カルダモンは大昔から薬用として利用されていますが、中近東では身体を冷やす目的で、北欧では身体を温める目的で使われています。
カルダモンの効果・効能には消化促進、発汗作用、呼吸器官の不調改善、抗炎症作用、リラックス効果、口臭予防などがあるされています。
インドでは口臭予防として、香りの強い食事やお酒を飲んだ後にカルダモンの種を噛む習慣があるそうです。
シナモンの特徴
カルダモンの特徴を解説してきましたが、ここからはシナモンの特徴を解説していきます。
漢方としても使われるスパイス
シナモンは世界最古のスパイスのひとつといわれ、紀元前4000年頃からエジプトでミイラを保存するための防腐剤として使われていました。
日本では古くからお菓子などに利用されており「ニッキ」の名前で親しまれています。
また身体に良い効果があることから漢方にも利用されているスパイスです。
シナモンの味
シナモンは甘い物や甘い香りが特徴の料理に用いると、より一層甘みが強まる傾向があるためスイーツによく使われています。
また独特な香りと甘みがありますので、紅茶やコーヒーなど飲み物に使われることも多いです。
カレーやピラフ、肉料理、炒め物など料理に使われることもありエキゾチックな風味が人気です。
シナモンの効果・効能
漢方で使用されるシナモンには、水分代謝を調節する作用があるといわれており、発汗を促してむくみを予防する効果があるとされています。
他にも血流改善、消化促進、糖尿病の予防・改善効果などに期待ができると言われています。
カルダモンとシナモンの使い方
カルダモンとシナモンの特徴を解説してきましたが、カルダモンとシナモンには使い方にも違いがあります。
そこでここからは、カルダモンとシナモンの使い方の違いを解説していきます。
カルダモンの使い方
カルダモンの使い方を紹介します。
香水
カルダモンは清涼感のある香りが特徴的で香水にも使われています。
爽やかさの中に力強さがある上品な香りは、香水のアクセントになりエレガントさを添えてくれます。
香りに力強さがありますのでメンズの香水に使われることが多いようですが、ユニセックスな香水でも人気です。
カレー
カルダモンはカレーなどの煮込み料理にもよく使われています。
カレーで使う場合は、パウダーよりもホールのカルダモンがおすすめです。
パウダータイプは料理の最後に香りづけとして使いますが、ホールのカルダモンは一緒に煮込むことで風味が増すためカレーに最適です。
スリランカカレーやタイ風カレーにもよく合います。
サラダ
カルダモンはサラダにもおすすめです。
定番のマヨネーズ風味のサラダも、カルダモンを使用することでエスニックな味わいになります。
マヨネーズとの相性も良いのでカルダモンパウダーを少量加えて、いつもと違うサラダを楽しんでみてください。
コーヒー
インドやトルコなどではカルダモンをコーヒーに入れて、カルダモンコーヒーを飲む文化があります。
カルダモンは後味がすっきりしており、かつ消化機能も助けてくれますので食後の1杯におすすめです。
カルダモンを煮だしたお湯でコーヒーを抽出する作り方がありますが、インスタントコーヒーにカルダモンパウダーを一振りするだけで簡単に作れます。
シナモンの使い方
シナモンの使い方を紹介します。
シナモンロール
シナモンといえばシナモンロールを思い浮かべる人が多いことでしょう。
シナモンロールは菓子パン生地を長方形に伸ばし、溶かしたバターを一面に塗った上にシナモンシュガーを振りかけてロール状に巻いたもので、発祥はスウェーデンとされています。
砂糖を多めにして甘さを強くするとアメリカ風のシナモンロール、カルダモンを少し加えると北欧風のシナモンロールになりますので、お好みのシナモンロールを楽しんでみてください。
チャイ
シナモンはチャイにも欠かせないスパイスです。
鍋にシナモンとカルダモンと水を合わせて火にかけ、お湯が薄く茶色くなるまで煮出し茶葉と牛乳を加えて作ります。
シナモンや他のスパイスの風味をじっくり弱火で引き出すのがポイントです。
寒い冬には生姜を加えると体が温まりますのでぜひ試してみてください。
鶏肉料理
シナモンは料理に加えると素材の甘さを引き立てる効果があります。
煮込み料理に入れると香りが増し奥深い味わいとなります。
豚の角煮や鶏肉のソテーなどの肉料理にもおすすめです。
カルダモンとシナモンの注意点
カルダモンとシナモンの効果・効能などを解説してきましたが、ここからはカルダモンとシナモンの過剰摂取による注意点を紹介します。
大量に摂取すると体への悪い影響がありますので、適量を摂るようにしましょう。
カルダモンの注意点
カルダモンの注意点を解説します。
消化不良
カルダモンは適量の摂取で消化を助ける効果に期待できますが、過剰に摂取してしまうと消化を阻害して消化不良を引き起こしてしまいます。
過剰に摂取してしまうと消化を妨げる原因となりますので注意しましょう。
胆石・胆嚢・胆管が良くない方
カルダモンの持つ効能の一つに胆石や胆のう疾患への鎮痛効果がありますが、カルダモンを過剰摂取してしまうと、痛みに鈍感になり知らず知らずのうちに症状を悪化させることがあるようです。
胆石・胆嚢・胆管が良くない方は、カルダモンを多量に摂取するような使い方は控えるようにしましょう。
シナモンの注意点
シナモンの注意点を解説します。
肝臓への影響が考えられるクマリン
シナモンには「クマリン」という物質が含まれていますが、このクマリンは過剰摂取すると肝臓障害を起こすリスクがあります。
シナモンの原料植物には、セイロンシナモンとカシアという2種類があり、クマリンが多く含まれているのはカシアの方です。
カシアでも比較的長期間で大量摂取しない限り心配は少ないとされていますが注意が必要です。
妊婦への影響の可能性
シナモンの香り成分であるシンナムアルデヒドには、大量に摂取すると子宮を収縮し子宮出血や流産を起こす可能性が高くなると言われていますが、医学的なデータは存在していません。
香り付け程度のスパイスの利用であれば問題ないようですが、気になる方は摂取を控えると良いでしょう。
カルダモンとシナモンを使って料理の幅を広げよう!
カルダモンとシナモンはスパイスのなかでも風味や用途は近いと言えますが、さまざまな違いがあります。
カルダモン・シナモンの特徴を踏まえて料理の幅を広げましょう。
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