桂皮・シナモン・ニッキの違いを紹介!
桂皮とシナモンとニッキ、いずれも同じように思えますが実際には原料や香りが異なってきます。
中でもシナモンは「なんとなくわかる」「普段から使用している」という方が多いでしょう。
ニッキもさまざまな食品の材料として活用されているスパイスのひとつです。
桂皮に関しては、あまりよく知らないという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は桂皮、シナモン、ニッキの違いや成分について詳しく解説していきます。
それぞれの香りの特徴、防虫効果についてもご紹介するので、違いが気になる方はぜひ参考にしてみてください。
桂皮とシナモンとニッキの違いとは?
桂皮とシナモンとニッキには、どういった違いがあるのでしょうか。
ほとんど同じようなものだと思っている方も多いでしょう。
まずはそれぞれの原料となるもの、特徴などを解説していきます。
桂皮:トンキンニッケイが原料
桂皮はトンキンニッケイなどクスノキ科の樹皮を乾燥させたものを指し、古くから世界各国で使われてきた生薬です。
漢方では解熱・発汗・鎮痛剤として用いられています。
香料や食品香料としても活用されるなど、さまざまな場面で幅広く使われています。
国内に輸入されているのは、広南桂皮・東興桂皮と言われる中国産やベトナム桂皮が多いようです。
身体の冷えを解消させて血の巡りを良くする作用があり、月経痛・下痢・関節痛・肩こりなどの症状にも効果が期待できます。
シナモン:セイロンニッケイが原料
シナモンは、クスノキ科のセイロンニッケイという木の樹皮が原料の香辛料を指します。
セイロンニッケイの幹の皮を剥がすとコルクに似た層があり、シナモンはそれを乾かしたものです。
コルクのような層は乾燥させることで、自然にくるんと丸くなります。
その状態のものが「シナモンスティック」として販売されているのです。
シナモンには強力な抗酸化物質が大量に含まれているため、血液の循環を高めると同時に、発汗を促してくれます。
ニッキ:シナニッケイが原料
ニッキは、クスノキ科のシナニッケイという木の根にある皮から作られる香辛料でです。
シナニッケイの幹の皮を剥がすと、セイロンニッケイと似たようなコルクの層があり、それを乾燥させることで「カシア」と呼ばれるスティックになります。
日本にシナニッケイが伝えられたのは奈良時代くらいのことで、江戸時代に栽培が始まったことから、日本産のニッキが流通するようになったとのことです。
原産は東南アジアと言われていますが、沖縄では日本の固有種も発見されています。
現在では高知、和歌山、鹿児島でも栽培されています。
桂皮とシナモンとニッキはそれぞれ香りが違う?
混同しがちな桂皮、シナモン、ニッキの3種類ですが、香りも異なるようです。
一体どういった香りがするのか、具体的に見ていきましょう。
桂皮:さわやかな香り
桂皮は漢方薬でいうと葛根湯のような、さわやかな香りが特徴です。
クッキーやケーキなどのお菓子作りに活用される他、パンやドリンクなどの材料にも使われています。
シナモンと比べると香りが強いと言われていますが、これは主要成分である「桂皮アルデヒド」の含有量が多いためです。
シナモン:甘い香り
シナモンは、スパイスのイメージからかけ離れるほど甘みのしっかりとした香りが特徴です。
桂皮、シナモン、ニッキの3つはほとんど同じ成分ですが、シナモンの原料となるセイロンニッケイだけ「オイゲロール」と呼ばれる物質が含まれています。
この物質によりシナモンのみが、甘い香りに加えてマイルドな香りも感じられるのです。
シナモンを使用した代表的な食べ物と言えば、アップルパイやシナモンロールなどが挙げられますが、他にはドーナツやパウンドケーキ、マフィンなどにも使われています。
シナモンをプラスすることにより、香りのアクセントをつけられるので、スイーツの材料として活用されることが多いようです。
スイーツやドリンク以外には、カレーなどの料理の材料にも用いられます。
ニッキ:甘さとさわやかさが混ざった香り
ニッキにもシナモンと同じような香りが感じられますが、同時にさわやかで強い辛みも感じられるのが特徴です。
ニッキの原料となるシナニッケイは、収穫量が少なく希少であることから、ニッキの方がシナモンよりも価値が高いと言われています。
ニッキを使用した食品の代表として挙げられるのが、京都の銘菓・八つ橋やニッキ飴です。
他にはカレーやピラフなどの料理、漢方薬としても使われることがあります。
桂皮とシナモンとニッキは防虫効果がある
桂皮、シナモン、ニッキには防虫効果があると言われています。
殺菌剤や防虫スプレーを使わずに、ご自宅のお庭の美しさを維持したい方は必見です。
ここからは桂皮、シナモン、ニッキの防虫効果や注意しておきたいポイントについて解説していきます。
趣味でガーデニングを楽しんでいる方、綺麗な庭づくりを目指している方はぜひチェックしてみましょう。
シナムアルデヒドで防虫効果
桂皮、シナモン、ニッキにはいずれも「シナムアルデヒド」という物質が含まれています。
スイーツのような甘みのある食品との相性が良いとされている成分ですが、実は防虫効果もあるのです。
シナムアルデヒドの防虫効果を検証する実験で、ただのハチミツと、シナモンをまぶしたハチミツをアリの巣の近くに設置したところ、アリはただのハチミツに集まり、シナモンをまぶしたハチミツにはまったく集まらなかったという結果が出ています。
シナムアルデヒドの防虫効果は非常に強力で、室内にシナモンの香りを漂わせる・タンスにシナモンスティックを入れておくと虫の侵入を防止できるといわれています。
ただし、持続性に関しては市販の虫除けスプレーよりも優れているわけでないので、普段は効果が長持ちしやすい樟脳(しょうのう)を使用した方が良いようです。
ガーデニングはシナモンスティックを土に埋めて防虫対策
シナモンの香りは、虫はもちろんのこと鳥類や獣類も嫌がる傾向があると言われています。
ハエや蚊をはじめとする害虫やネズミ、野良猫にも効果的なので、趣味のガーデニングで虫に悩まされている方は土の中にシナモンスティックを埋めてみるのもひとつの方法です。
より高い効果を発揮させたい場合は、強い香りを持つ「カシアシナモン」を活用しましょう。
蜂には効果がないことも
手作りのニッキスプレーなどを用意しておけば、虫除けスプレーの代わりとして活用できますが、蜂には効果がないこともあるため注意が必要です。
スズメバチを例に挙げて説明すると、人を襲うきっかけとなるのは巣に近づいた時、あるいはスズメバチ自身が危険を感じた時などで、そういった場合は自分の身を犠牲にしてでも襲いかかってくることがあります。
スズメバチが攻撃の体制に入ってしまうと、ニッキスプレーどころか虫除けスプレーでさえも無効になる可能性が高いため、蜂の対策手段としては巣に近づかないようにする・むやみに攻撃しないようにすることが大切です。
桂皮とシナモンとニッキの違いを知ろう
桂皮、シナモン、ニッキの違いについて解説してきました。
いずれもクスノキ科の常緑樹が原料となっている点は共通していますが、桂皮とシナモンが樹皮から作られるのに対し、ニッキは木の根っこから作られています。
また桂皮は生薬、シナモンとニッキはスパイスとして使われることが多いようです。
優れた防虫効果があることから、お部屋やお庭の防虫対策において大いに活用が期待できるでしょう。
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