紅茶に含まれるポリフェノールの効果や種類を解説
紅茶に豊富に含まれるポリフェノールは、美容や健康にいい効果をもたらす成分として注目を集めています。
「ポリフェノール=身体にいい」といったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
そんなポリフェノールにもさまざまな種類が存在し、それぞれ効能が変わってきます。
紅茶のポリフェノールの作用を十分に活かすために、種類ごとの特徴やおすすめの飲み方を理解しておきましょう。
今回は紅茶に含まれるポリフェノールの効果や種類、適切な紅茶の飲み方を解説します。
紅茶に含まれるポリフェノールとは?
まずは紅茶に含まれるポリフェノールがどういったものなのか、詳しく解説していきます。
植物の苦みや渋み、オレンジ色の成分
ポリフェノールはほとんどの植物が持つ苦みや渋み、色素の成分です。
紅茶特有の鮮やかな赤褐色を生み出す成分でもあります。
強力な抗酸化作用があり、生活習慣病の予防や改善に効果的です。
水によく溶ける成分であることから、効果の持続性が低いため、毎日継続して摂るとよいでしょう。
紅茶の製造過程でポリフェノールが作られる
紅茶はチャノキと呼ばれる植物の葉から作られており、これは緑茶の原料と同じです。
生葉は収穫した後、水分を減らすために8〜15時間かけて風を送り込みます。
しおれたら機械を使って葉を揉み、細胞組織を破壊させることによって酸化発酵させます。
酸化酵素によりカテキン同士が結びつき、酸化重合が進んでいくと紅茶ポリフェノールが作られます。
茶葉・産地によりポリフェノールが違う
紅茶は茶葉の種類や産地ごとに製造方法や発酵度合いが異なるため、ポリフェノールを構成する成分の割合にも差が出てきます。
茶葉によって味や香りに違いがあるのは、ポリフェノールの比率が変わってくるためです。
例を挙げると、ケニアはお湯を注いでからすぐに色が出やすく、はっきりとした赤みがあります。
世界三大紅茶のひとつであるウバは明るい赤みを帯びたオレンジ色になり、渋みが強いのが特徴です。
紅茶に含まれるポリフェノールの効果
紅茶に含まれるポリフェノールは、なんとなく健康によさそうと思っている方もいるでしょう。
ここではポリフェノールの嬉しい効果を4つご紹介します。
アンチエイジングにつながる抗酸化作用
紅茶のポリフェノールが持つ抗酸化作用は、体内の細胞を酸化させる「活性酵素」という物質を取り除く働きがあります。
活性酵素というのは、増殖することで健康な細胞を傷つけ、老化を引き起こす原因につながる成分です。
活性酵素が除去されることで、肌の健康が保たれてアンチエイジング効果が期待できます。
病気から体を守る生活習慣病の予防
紅茶に含まれるポリフェノールは、生活習慣病を予防する効果があるとも言われています。
糖尿病になりにくい身体を目指したい方は、ポリフェノールを積極的に摂取するとよいでしょう。
糖分の吸収の抑制や血糖値の上昇を抑える働きもあり、肥満の予防につながります。
雑菌やウイルスの増殖を防ぐ
紅茶に含まれるポリフェノールには、優れた抗ウイルス・抗菌作用があります。
これはポリフェノールの一種であるカテキンの作用によるものです。
体内に侵入したウイルスが細胞と結合するのを防いでくれるので、インフルエンザやノロウイルスにかかりにくくなると言われています。
紅茶に含まれるポリフェノール
紅茶に含まれるポリフェノールにも色々な種類があり、それぞれ働きが異なります。
ここからは、ポリフェノールごとの特徴や働きについて解説していきます。
①タンニン
タンニンは紅茶の渋み成分です。
紅茶以外にはコーヒー、緑茶、ウーロン茶などにも入っています。
タンニンには抗菌作用があり、風邪予防に効果的です。
また食品の鉄分と結合しやすく、鉄分の吸収を邪魔する働きがあります。
日頃から貧血で悩んでいる方は、食後30分はタンニンを含む飲み物を口に入れないようにしてください。
②カテキン
カテキンもポリフェノールの一種で、非常に酸化しやすいという特徴があります。
紅茶のみならず、緑茶やウーロン茶など、私たちにとって身近な飲み物に含まれる渋み成分です。
殺菌力が強いカテキンは、細菌の増殖を抑えてくれるため、虫歯や口臭を防ぐ効果が期待できます。
カテキンを摂取し続けると脂質の吸収が抑制されるので、ダイエットにもおすすめです。
③テアフラビン
テアフラビンは紅茶に赤みをもたらす成分です。
生葉を発酵させることで作られ、2つのカテキンが結びついて生成されます。
紅茶の品質の決め手となりますが、希少性が非常に高く、高級紅茶にもわずかしか含まれないほど。
抗菌作用や脂質の代謝を上げる作用がカテキンよりも強いことから、スーパーカテキンとも呼ばれています。
④テアルビジン
テアルビジンもテアフラビンと同じように、紅茶の色に影響を与える成分です。
テアフラビンが多いと赤みが強く、テアルビジンが多いと褐色が強くなります。
一般的にはテアフラビンを多く含む紅茶のほうが高品質だと言われています。
働きについてもテアフラビンとよく似ており、抗菌・抗がん作用があります。
紅茶に含まれるポリフェノールを最大限に活かす飲み方
ここまで、紅茶のポリフェノールにはたくさんの嬉しい効能があることを解説してきました。
続いては、ポリフェノールの効果を活かせる紅茶の飲み方をご紹介します。
紅茶にはミルクを入れない
紅茶にミルクを入れて飲むと、ポリフェノールの効果が薄まる可能性があるため注意が必要です。
これはミルクのタンパク質に含まれるカゼインが関係してきます。
カゼインには、紅茶ポリフェノールの一種であるカテキンとくっつきやすい性質があり、カゼインとカテキンの結合によってポリフェノールの働きが抑制されてしまいます。
寒い日などはミルクでコクをプラスして、まろやかなミルクティーを味わいたいところですが、紅茶のポリフェノールの効果を引き出す場合はミルクなしで飲むのがよさそうです。
砂糖やレモンはOK
紅茶に含まれるポリフェノールの効果を活かすなら、ミルクを入れて飲むのはなるべく避けたいところですが、砂糖とレモンであればOKです。
ポリフェノールはタンパク質と結びつくことで働きが抑制されるので、タンパク質を含むものを入れなければ問題ありません。
ただし砂糖の入れすぎによる糖分の過剰摂取には気をつけましょう。
また、レモンを紅茶に長時間浸し続けると、皮のえぐみによって渋みが出てしまうことがあるので注意してください。
ストレートティーにおすすめの紅茶
- ディンブラ
- ダージリン
- アッサム
- アールグレイ
- ウバ
ストレートティーは香りやコクが強い茶葉が向いています。
香りを堪能したい方はダージリン、アールグレイ、ウバを、旨みやコクを重視したい方はディンブラやアッサムを選ぶとよいでしょう。
「フルリーフ」「ブロークン」「ファニング」というように形状にもさまざまなタイプがありますが、繊細な味を楽しみたい場合は雑味の出にくいフルリーフがおすすめ。
ポリフェノールは温度による影響を受けないため、ホットでもアイスでもOKです。
紅茶に含まれるポリフェノールは健康の促進や維持に役立つ
紅茶に含まれるポリフェノールの効能や摂り方について解説しました。
ポリフェノールには強力な抗酸化作用があり、さまざまな病気の予防効果やアンチエイジング効果が期待できます。
その効果は長期間持続しにくいので、習慣的に取り入れることが大切です。
ポリフェノールの効果を引き出す紅茶の飲み方をしっかりと理解したうえで、健康維持に役立てましょう。
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