ピラジンの効果や含まれている飲み物や食べ物について解説
ほうじ茶の香ばしい香りのもとはピラジンという成分がもとになっています。ピラジンはお茶の焙煎や肉・イモ類を焼いたときに生じる香ばしい香りで、ナッツ類やチョコレートなどにも含まれています。
今回はリラックス効果をはじめ冷え性などに効果があるといわれるそピラジンの効果を解説します。女性にうれしい効能をもつピラジンを健康管理に役立てましょう。
リラックス効果抜群!ピラジンの効果効能5つ
リラックス効果抜群といわれるピラジンですが、他にはどのような効果があるのでしょうか。ここではピラジンの効果・効能を詳しく解説していきます。
脳を落ち着かせる
日本茶の中でも香ばしい香りで幅広い年齢層に人気のほうじ茶ですが、ほうじ茶を飲むと心がホッと落ち着く感覚になる人も多いのではないでしょうか。
このほうじ茶の香りの代表的な成分はピラジンですが、ピラジンには脳を落ち着かせてリラックスさせる効果があるといれています。リモートワークや家事で忙しいときやイライラを感じたときは、ほうじ茶でホッと一息ついて脳をリラックスさせましょう。
冷え性
ピラジンには血液の流れをよくす働きがあるといわれています。そのため血行を促進し体を温め、冷え症の改善に効果的だとされます。
ほうじ茶を飲むと体が温まると感じるのは、ピラジンの効果によって血行が良くなっているのが理由かも知れません。またピラジンには血栓を防ぐ働きもあるため、脳梗塞や心筋梗塞の予防も期待されているようです。
血糖値の上昇を抑える
ピラジンには血流改善の効果があるため、血圧の上昇や血糖値の上昇を抑える効果に期待がもてます。そのため血糖値が気になる方は血糖値が上がりやすい砂糖入りの紅茶や清涼飲料水よりも、ピラジンが含まれているほうじ茶を飲むのがおすすめです。
育毛効果
健康で元気な髪の毛を育てるためには、毛母細胞にしっかりと栄養を送り込むことが大切です。ピラジンの効果により身体の血行が良くなると頭皮の毛細血管の血流も改善されるので、育毛をつかさどる毛母細胞にしっかりと栄養成分が届くと考えられます。
頭皮環境を良くするためには、血流が良い状態をつくることが大切です。効果はゆるやかですが、いつまでも美しい髪の毛を維持するためにピラジンで良い頭皮環境を作りましょう。
ぐっすり眠れる睡眠効果
ピラジンの脳をリラックスさせる効果は睡眠の質にも関係することがわかっています。ピラジンの香りを嗅ぐと脳にGABAと呼ばれる物質が増加します。GABAはここ数年注目を集めている成分で、睡眠の質を高め血圧を下げる効果があるといわれます。
また血流を改善する働きのあるピラジンはビタミンB6と相性が良く、一緒に摂ることで睡眠を助けるメラトニンの分泌を促します。睡眠に悩みがある方はほうじ茶からピラジンを摂取するようにしましょう。
ピラジンが多く含まれる食べ物・飲み物
ピラジンの身体への効果効能を解説してきましたが、ここからはピラジンが多く含まれる食べ物・飲み物を紹介します。ピラジンを多く含まれる食べ物・飲み物を献立やティータイムに役立てましょう。
ほうじ茶
近年の研究では茶葉を炒ることでピラジンが生じることがわかり ほうじ茶のピラジンの量は、煎茶(緑茶)の数倍といわれています。
ほうじ茶の香ばしい香りの主な成分はピラジンですが、このピラジンは火香(ひか)とも呼ばれます。同じお茶の葉でも火入れの仕方や程度によって香ばしさが異なるため、火の入れ方は香りの強さとピラジンの量に関係します。
ほうじ茶は新茶以降の時期に収穫された番茶を炒って香ばしく仕上げたものです。番茶には新茶のような新鮮さやみずみずしさ、甘味・うま味が少ないため、番茶を美味しく飲むために考えられました。弱い火入れで仕上げると茶葉の青い香りが強くなり、火入れを強めるとピラジンが多くなって香ばしいお茶になります。
茎茶
茎茶は玉露や煎茶の仕上げ加工工程で選別機によって新芽の茎だけを抽出したお茶のことを指し、独特のさわやかな香りと甘みが特徴です。その茎茶を高温で焙じた茎ほうじ茶のピラジン量は葉の部分で作ったほうじ茶の1.5倍といわれています。
またほうじ茶の茎の部分にはラベンダーなどにも含まれるリナロールやローズオイルに含まれるゲラニオールという香り成分が葉の部分より多いことが分かっています。ほうじ茶の香りをより楽しみたい方は、茎のほうじ茶を選ぶといいでしょう。
コーヒーや麦茶、ココアなど原料を焙煎した飲み物
ほうじ茶の香りの成分ピラジンはアミノ酸と糖が高い温度で加熱されることで生成されるので、コーヒーや麦茶、ココアなど原料を焙煎した飲み物にもピラジンが含まれます。麦茶を煮出した時の香ばしい香りは、まさにピラジンが含まれている証です。
ピーマンの種やワタ
ピラジンはピーマンの種やワタにも多く含まれており、含有量は皮の部分の約10倍といわれています。普段は捨てる部分なので食べることに抵抗があるかもしれませんが、美味しく食べられるレシピを紹介します。
ピーマンのピラジンを無駄なく摂取するには、ピーマンの肉詰めがおすすめです。ピーマンの肉詰めをつくるときは種やワタを取らずにそのままお肉を詰めてみましょう。苦みが和らぎ違和感なく美味しく食べられます。
また、新鮮なピーマンをそのまま焼いた”焼きピーマン”もおすすめです。せっかくのピラジンを無駄にしないように、レシピを工夫して美味しくいただきましょう。
納豆
納豆の独特なにおいにはニーメチル酪酸やイソ酪酸などがもとになっていますが、ピラジンの成分も関わっているといわれます。納豆には血流を改善するナットウキナーゼも含まれ、ピラジンとの相乗効果で血行促進効果に期待ができます。冷え性の方は納豆を日々の食事にプラスしてみてはいかがでしょうか。
ピラジンたっぷりのほうじ茶を淹れてみよう!
ピラジンがほうじ茶に含まれていることを紹介してきましたが、ここからはピラジンをたっぷり摂れるほうじ茶の淹れ方を紹介します。ピラジンは香り成分ですので、淹れるときに香りを嗅ぎながら淹れるのがポイントです。香ばしい香りとピラジンたっぷりのほうじ茶でリラックスタイムを楽しみましょう。
ほうじ茶の自家焙煎にチャレンジ
ほうじ茶は自宅で簡単に作れます。レシピを参考にして美味しいほうじ茶を作ってみてください。お茶をふるいにかけると余計な粉が落ちて焙煎時に焦げにくくなります。
用意する物:素焼きの器の焙烙(ほうろく)またはフライパン・茎茶(自宅で余っている緑茶でも)・ふるい・ボール・茶葉を入れる皿かバット
- 茎茶をふるいに入れ余分な粉をボールに落とす
- 篩で粉を落としたお茶の葉を焙烙またはフライパンに入れ弱火にかける
- 茶葉から芳ばしい香りが出てきたら焦げないようにフライパンを回してしゃもじか菜箸でかき混ぜる(焙烙の場合はフライパンをゆする)
- 茶葉の色が緑→黄色→茶色と変化しますが、お好みの焙煎具合まで加熱する
- 茶葉に火が通ったらバットやお皿に茶葉を移して粗熱を取り完成!
香りに癒やされるホットのほうじ茶の淹れ方
お茶にはそれぞれ美味しい淹れ方がありますが、ほうじ茶にも適した温度や抽出時間があります。ここでは香りのよいホットのほうじ茶の淹れ方を紹介します。焙煎した香りを立たせるためには、しっかり沸騰させたお湯を急須に注ぐのがポイントです。
材料(3人分):茶葉 茶さじ4~5杯(8g~10g)・熱湯 急須一杯分
- 急須に煎った茶葉を5〜6gほど入れ熱湯を注ぐ
- ふたをして30秒ほど待つ
- 30秒経ったら器に回し注ぎして最後の一滴まで注ぎ切る
夏にゴクゴク飲める水出しほうじ茶の淹れ方
暑い夏はもちろん、普段から冷蔵庫に水出しほうじ茶を用意しておけば手軽にほうじ茶を楽しめます。ここでは夏にゴクゴク飲める水出しほうじ茶の淹れ方を紹介します。ミルクや豆乳を入れてほうじ茶ラテにするのもおすすめです。
用意する物:水1ℓ・茶葉30g(大さじ5杯)・ボトル・茶こし
- ボトルに茶葉を入れたあと水を加える
- 冷蔵庫にボトルを入れて3時間ほど冷やす
- 3時間ほど経ったらボトルを取り出し茶こしで茶葉をこす
- 完成した水出しほうじ茶は冷蔵庫で保存して当日中に飲み切りましょう!
ピラジンのリラックス効果で忙しい毎日にホッと一息つこう!
ピラジンにはリラックス効果が期待できますが、毎日の生活で手軽にピラジンを摂るにはほうじ茶がおすすめです。水出しほうじ茶ならお湯をわかす手間が省けるため、より手軽にピラジンを取り入れることができます。ほうじ茶の香ばしい香りとリラックス効果で一息ついて、忙しい日々を快適に過ごしましょう。
コメント