シナモン食べ過ぎの危険性と安全な活用法

シナモンは世界中で古くから使われてきたスパイスで、甘くスパイシーな香りが特徴です。パンやケーキ、紅茶やコーヒーなど、さまざまな料理や飲み物に活用され、近年では「血糖値を安定させる」「抗酸化作用がある」などの健康効果でも注目されています。

ただし、どんなに体に良い食品でも「シナモン食べ過ぎ」は危険です。摂りすぎると肝臓への負担や健康被害のリスクがあります。この記事では、シナモン食べ過ぎのリスク、安全な摂取量の目安、日常での工夫、さらに簡単レシピも紹介します。

シナモンの歴史と種類

シナモンは紀元前から香辛料や薬として利用され、古代エジプトでは防腐や儀式に、古代ローマでは高級品として珍重されました。シルクロードを経てアジアからヨーロッパに広がり、時に金と同等の価値を持つこともありました。

現在、よく利用されるシナモンには2種類あります。

スーパーでよく見かけるのはカシアシナモンです。毎日の健康習慣として取り入れるなら、必ず「セイロン」と書かれたものを選ぶことが大切です。

シナモン食べ過ぎが健康に及ぼすリスクは無視できません。以下のような問題が報告されています。

肝機能への悪影響： カシアシナモンに多く含まれるクマリンは肝臓に負担をかけます。少量なら問題ないものの、シナモン食べ過ぎが続くと肝障害や肝機能低下を引き起こす恐れがあります。
出血傾向のリスク： 血液を固まりにくくする薬を服用している場合、シナモン食べ過ぎは出血リスクを高める可能性があります。特に高齢者や持病がある方は注意が必要です。
アレルギー症状： 口腔内の違和感、皮膚のかゆみや赤みは、シナモン食べ過ぎによるアレルギー反応の可能性があります。症状が出たらすぐに中止しましょう。
妊娠中のリスク： 妊婦がシナモン食べ過ぎをすると、子宮収縮を促して流産や早産の危険性を高めると指摘されています。妊娠中は調味程度に抑えることが安心です。

欧州食品安全機関（EFSA）はクマリンの耐容一日摂取量を体重1kgあたり0.1mgとしています。体重50kgの人なら5mgが上限です。

カシアシナモン小さじ1（約2g）には平均5〜12mgのクマリンが含まれています。つまり小さじ1杯で上限を超える場合があり、シナモン食べ過ぎにつながる危険性が高いのです。セイロンシナモンはクマリン量が極めて少ないため、日常的に利用してもシナモン食べ過ぎのリスクはほとんどありません。

シナモン風味のヨーグルト： プレーンヨーグルト200gにはちみつ小さじ1、セイロンシナモン少々を加えるだけ。シナモン食べ過ぎを避けつつ朝食に取り入れられます。
シナモンミルクティー： 牛乳200mlとシナモンスティック1本を煮出してから紅茶を入れるとチャイ風に。粉末を使わないためシナモン食べ過ぎになりにくい方法です。
焼きりんごのシナモン風味： りんごに少量のバターとセイロンシナモンをのせてオーブンで焼くだけ。香り高く、シナモン食べ過ぎを気にせず楽しめます。