紅茶のカフェイン量や人体の影響も紹介
普段飲んでいるコーヒーや緑茶、紅茶にはカフェインが含まれています。
カフェインは植物の種子や葉にも含まれている天然成分ですが、ドイツの分析科学者フリードリープ・フェルディナント・ルンゲが、同じドイツの文豪ゲーテから依頼されコーヒーから発見されました。
コーヒーだけでなく紅茶やウーロン茶、緑茶や栄養ドリンクにも含まれているカフェインは、さまざまな効果を持ちますが、過剰摂取には注意が必要です。
記事では紅茶や他の飲み物に含まれるカフェイン量や、カフェイン摂取の目安量、カフェインの過剰摂取による人体への影響を解説します。
紅茶のカフェイン量はどれくらい
カフェインは紅茶やコーヒー、緑茶に含まれていますが、その量は飲み物により違いがあります。
毎日飲んでいるものにどのくらいカフェインが含まれているのか、その目安にしてください。
紅茶のカフェインは100mlあたり30mg
食品名 | 100mlあたりのカフェイン量 |
エナジードリンク・眠気覚まし用飲料 (清涼飲料水) | 32~300 mg |
コーヒー(浸出液) | 0.6g |
インスタントコーヒー(粉末) | 4.0g/100g 2g使用すると1杯80mg |
せん茶(浸出液) | 0.02g |
ほうじ茶(浸出液) | 0.02g |
玄米茶(浸出液) | 0.01g |
ウーロン茶(浸出液) | 0.02g |
紅茶(浸出液) | 0.03g |
参考サイト:農林水産省 カフェインの過剰摂取について
エナジードリンクや眠気覚まし用飲料は、製品によりカフェインの量が違ってきます。
モンスターエナジーでは40mg、レッドブルで30mg程度です。
コーヒーは60mg程度ですが、これがエスプレッソになると212mgとカフェイン量が多くなります。
ただ、エスプレッソはカップが小さく30ml程度を飲むため1杯で60mg程度になるでしょう。
日本茶では玉露が160mgと多いのですが、玉露も1杯が2~30ml程度なのでカフェインの量は少なくなります。
紅茶のカフェインは30mgですが、これは5gの茶葉を360mlの熱湯で1.5~4分程度浸出した場合です。
紅茶の場合、浸出温度や使用する茶葉の種類・重量などでも変わってきます。
カフェインの最大摂取量は個人差がある
カフェインには、ニコチンやコカインと同様、アルカロイドが含まれています。
アルカロイドには、解熱鎮痛作用、覚醒作用、強心・利尿作用など、神経中枢を刺激するため興奮させる特徴があり、また、依存度が高くなる傾向も見られるでしょう。
カフェイン1日の最大摂取量は個人差があります。
一般的に健康な成人の場合、1日に400mgとなり、コーヒーだとマグカップ3杯程度でしょう。
妊婦や妊娠予定のある方、授乳中の女性はおよそ300mgが最大摂取量です。
子供は感受性が高く成長過程で体の大きさも変わります。
4~6才で45mg、7~9才で62.5mg、10~12才で85mg、13才以上になると2.5mg/kgが目安です。
紅茶のカフェイン摂取目安量は?
紅茶のカフェイン量はコーヒーに比べるとおよそ半分です。
紅茶好きな方は一日にどのくらい飲んでも大丈夫なのかを解説します。
1日3~4杯が目安
カフェインは小腸で吸収されます。
その後全身にいきわたり肝臓で分解されますが、摂取後、30分程度で脳に届き効果が表れるでしょう。
カフェインを摂取してから3時間程度で効果は最大になりますが、効果がなくなるのには5~7時間程度かかります。
ただし、代謝にも個人差があります。
身体の体調や条件により違いますが、1日3~4杯を目安としてください。
他にカフェインを摂取した時は量を控える
紅茶に含まれるカフェイン量はコーヒーやエナジードリンクと比べると少な目なため、1日に3~4杯が目安ですが、これは紅茶だけを飲んでいる場合です。
健康な成人は一日にカフェイン最大摂取量が400mg程度となっていますが、それは「1日」に摂取してもよいと言われている量です。
1回に400mg摂取し後はもう一切とらない…というのではなく、1度に摂取するのは200mg以下にしましょう。
1日のうちには紅茶以外にも様々なものを飲むと思います。
コーヒーや緑茶など他の飲み物を飲んだ場合は、紅茶の摂取目安に関わらず飲むのを控えてください。
寝る時間を考えて摂取する
カフェインは興奮作用や消化・吸収、利尿効果も高めます。
興奮作用があるため、眠気覚ましや朝起きたときに飲まれる方も多いでしょう。
カフェインは効果が現れるのも比較的早く良い点も多々ありますが、体内で分解されるのに5~7時間かかると言われています。
体内に長くとどまっているカフェインは、寝つきが良くない方や不眠傾向がある方だと、睡眠の質にも影響するでしょう。
睡眠不足で身体に影響があるのではカフェインの利点がなくなります。
紅茶は眠る時間を考えて飲むのがおすすめです。
紅茶などに含まれるカフェイン量の人体への影響は?
コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは、交感神経を刺激するため、身体を興奮させます。
身体が興奮すると眠気解消や疲労を感じないという利点がありますし、鎮痛作用や消化を助ける働きがあるのも特徴です。
利点もあるカフェインですが、過剰摂取した場合には人体への影響が懸念されます。
影響1.吐き気・嘔吐
カフェインは胃液の分泌を促すため、適度の摂取は食後の消化がよくなるでしょう。
ただし、過剰摂取すると吐き気や嘔吐を感じる場合があります。
カフェインの過剰摂取で中毒状態になると、胃液の分泌が過剰にされ胃壁がダメージを受けます。
とくに空腹時には注意が必要です。
胃に消化物がない空腹時は胃液の分泌で胃がダメージを受け、吐き気が起こるでしょう。
影響2.めまい・頭痛
カフェインは交感神経に作用し脳を活性化させます。
脳の働きがよくなると、集中力が高まり眠気の解消にもなります。
適度なカフェイン摂取は、仕事や勉強に効果が期待できるでしょう。
ただ、脳が覚醒し興奮状態になると他の器官が暴走する可能性があります。
過剰なカフェイン摂取で脳が活性化しすぎると、めまいや頭痛が起こりやすくなるため注意が必要です。
影響3.動悸・興奮状態
カフェインの過剰摂取で中毒症状になった場合、特に多いのが動悸や興奮状態になることです。
カフェインは交感神経に作用しますが、それは血圧や体温、拍動を上昇させる働きがあります。
身体を興奮させることは、眠気や疲労を感じないというメリットもあるので悪いというわけではありませんが、過剰摂取すると必要以上に興奮してしまいます。
冷や汗をかいたり興奮しすぎて落ち着いていられない、また、心臓がドキドキと早く脈打つなどの症状がでやすくなるでしょう。
影響4.不眠
眠くなるのは脳にアデノシンという物質が働きかけるからです。
アデノシンの働きで脳が沈静化し眠りにつくことができます。
不眠には様々な原因がありますが、カフェインの過剰摂取で中毒症状になるとアデノシンの働きを邪魔するため眠くなりづらいでしょう。
カフェインを過剰摂取すると身体の中のカフェインが分解されにくくなります。
カフェインが体内にとどまる時間が長くなればなるほど、脳が活性化し沈静しづらくなります。
そうなると、夜中に何度も目が覚める、寝つきが悪いといった症状が現れるでしょう。
影響5.手や足の震え・痺れ
カフェインには尿の量を増やし排尿を促す働きがありますが、尿にはマグネシウムやカリウムが含まれています。
マグネシウムやカリウムはミネラルなので、筋肉の収縮に作用する成分です。
カフェインの過剰摂取で多量の量を排尿すると、マグネシウムやカリウム不足になりがちです。
マグネシウムやカリウムといったミネラルが不足すると筋肉をコントロールしにくくなり、手や足の痺れや痙攣、震えなどが起こりやすくなります。
マグネシウムやカリウムといったミネラルは必須栄養素です。
これらが不足すると脳卒中や心疾患のリスクが高まります。
マグネシウムの不足は、血糖代謝の低下や血圧上昇、動脈硬化を促進させる懸念があるため、カフェインの過剰摂取には注意が必要です。
影響6.最悪、意識喪失や心停止も
軽度のカフェイン中毒の場合は、食職不振や吐き気、悪心、動悸や手足の痺れ・震えが起こりますが、重度のカフェイン中毒は特に注意してください。
重度のカフェイン中毒になると、低カリウム血症や低血圧に不整脈が起こり、最悪、意識障害や心肺停止になる場合もあります。
カフェインは交感神経に作用しますが、過剰摂取すると交感神経が活性化し副交感神経とのバランスがくずれます。
交感神経は活動を活性化させますが過度に働くと動悸・息切れ、発汗や血圧が上昇します。
動悸が激しくなると心臓に負担がかかり心停止などが心配です。
血圧の上昇は意識喪失にもつながる可能性があります。
参考サイト:カフェインの中毒症状とは?摂取量や中毒への対処法も紹介
紅茶のカフェイン量を把握して安全に楽しもう!
紅茶や緑茶、コーヒーに含まれるカフェインについて解説しました。
カフェインは医薬品にも使用されているように、疲労回復や鎮痛作用に効果的ですが依存度が高く、中毒症状になる場合もあります。
カフェインの適度な摂取量は個人差があるため、明確にはされていませんが、カナダ保健省や欧州食品安全機構では、健康な成人で一日400mgが目安となっています。
紅茶のカフェイン量はそれほど多くはありませんが、他にカフェインを含む飲み物を摂取している場合は注意して、安全に楽しんでください。
コメント