カルダモンを使ったアレンジレシピ
カルダモンは、北欧やインド、スリランカなどの南西アジアで親しまれているショウガ科の多年草です。
ショウガ科に属しているだけあり、ピリっとした刺激とエキゾチックな香り、スーっとした清涼感があります。
日本ではチャイやスパイス料理に使われるのがほとんどですが、独特な香味なのにいろんな料理に使えて万能です。
今回はカルダモンを使ったレシピを、食事系やドリンクなど4つのカテゴリーに分けてご紹介します。
カルダモンのレシピ4選【食事系】
カルダモンはスパイスなので、主食として食べられる料理に使うことが多いです。
インド料理やアジア系料理を中心に、カルダモンの香味を活かしたレシピを紹介します。
①カルダモン香るチキンカレー
スパイス料理の代表的存在といえばカレーです。
使うスパイスは多いですが、カレールーに頼らなくても本場のような香り高いカレーが作れます。
材料
- 鶏手羽元(またはもも肉) 1kg
- 玉ねぎ 中1個
- にんにく 3片
- ショウガ 2片
- トマト1/2個
- 植物油 大さじ1.5
- (A)クミンシード 小さじ1/2
- (A)カルダモン 4粒
- (A)シナモンスティック 1本
- 赤唐辛子(輪切り) 1本
- カレーパウダー 大さじ1
(A)のホールスパイスは油で炒めて香りを引き出し、カレーパウダーは煮込むときに使います。
作り方
- 玉ねぎとみじん切りにし、トマトはざく切りにしておく
- (A)のカルダモンはさやを割って同じく(A)のシナモンスティックは2つに折っておく
- にんにくとショウガをすりおろす
- 冷たい鍋に油と(A)を入れて香りが出るまで火にかける
- 香りが出たら玉ねぎと赤唐辛子を入れ、中火で炒める
- 玉ねぎが色づいたら、すりおろしたにんにくとしょうがを入れる
- 鶏肉を入れてさらに炒める
- カレーパウダーとトマトを入れて混ぜ炒める
- 適量の水を加え煮立って鶏肉に火が通ったら、塩で味を調える
カレールーを使わないのでサラっとしており、カルダモンの爽やかな香味が鼻に抜けます。
②ビリヤニ
インドでは定番として食べられているビリヤニは、バスマティライスをパスタのように茹でて使うのが美味しく仕上げるコツです。
材料
- バスマティライス 300g
- 鶏もも肉 500g
- 玉ねぎ 中1/2個
- パクチー 適量
- サラダ油 大さじ1
- 有塩バター 12g
- (A)無糖ヨーグルト 大さじ4
- (A)おろしにんにく 小さじ1
- (A)おろしショウガ 小さじ1
- (A)レモン汁 小さじ1
- (A)塩 小さじ1
- (A)ガラムマサラ 小さじ1
- (A)コリアンダーパウダー 小さじ1
- (A)チリパウダー 小さじ1/2
- (A)ターメリック 小さじ1/2
- (B)ローリエ 1枚
- (B)シナモンスティック 1本
- (B)カルダモン 2粒
- (B)クローブ 2粒
- (B)塩 小さじ1
(A)は鶏もも肉のマリネ、(B)のホールスパイスはバスマティライスを茹でるときに使います。
作り方
- パクチーは2cm幅に切り、鶏もも肉は一口大にカットする
- ジップ付き保存袋鶏もも肉と(A)を入れて揉み、封をして冷蔵庫で1時間程漬けこむ
- 鍋に分量外の水、バスマティライス、(B)を入れて中火にかける
- 沸騰したら蓋をして5分加熱し、ザルに上げて水気を切る
- 鍋に有塩バターを入れて中火で溶かし、マリネした鶏もも肉を加えて10分程炒めて火を1度止める
- 水気を切ったバスマティライスを上に敷き詰め、上に炒めた鶏もも肉とパクチーを乗せ、蓋をして弱火で10分程加熱したら底から混ぜる
炊飯器を使って炊けば普通のお米でもできますが、香りが大切なのでぜひバスマティライスを使いましょう。
③バクテー
バクテーとは、骨付き豚肉を柔らかく煮込んだマレーシアのスパイススープです。
旨味が詰まったスープでお茶漬けにもぴったりです。
材料
- 豚スペアリブ 500g
- 玉ねぎ 中1個
- にんにく 4片
- ショウガ(薄切り) 2枚
- シナモンスティック 1本
- 八角 1個
- ローリエ 1枚
- カルダモン(ホール) 4粒
- クローブ(ホール) 4粒
- 塩 小さじ1
- しょうゆ 大さじ2
- 鶏ガラスープの素 小さじ1
- 黒コショウ 少々
- 水 1500cc
白髪ねぎやパクチーがあると、より香り高いスープに仕上がります。
作り方
- 玉ねぎは放射状に4等分し、スペアリブは分量外のお湯でアクが出るまで茹でて余計な脂を落とす
- きれいにした鍋に、豚スペアリブ、玉ねぎ、にんにく、しょうが、スパイス、調味料すべてを入れて中火で加熱する
- 沸いたら蓋をして時々アクを取りつつ、弱火で2時間程煮る
- 器に盛り、お好みで白髪ねぎやパクチーを添える
煮込む時間は長いですが、材料全て入れて煮込むだけなので簡単です。
④マッサマンカレー
マッサマンカレーは1から作るとスパイスを全て揃えるのが難しいです。
しかしカレーパウダーとカルダモンで代用でき、工程もそこまで多くありません。
材料
- 鶏もも肉 250g
- 玉ねぎ 中1個
- じゃがいも 小2個
- ピーナッツ 15g(16~18粒)
- ココナッツミルク 250cc
- カレーパウダー 大さじ1
- カルダモンパウダー 小さじ1
- 鷹の爪 2本
- にんにく 2片
- ショウガ 1片
- 砂糖 大さじ1
- 干しエビ 小さじ2
- イカの塩辛 小さじ2
- ナンプラー 小さじ2~
干しエビとイカの塩辛、ナンプラーと変化球な材料がありますが、これらがあることでグッと旨味が強くなります。
作り方
- にんにくとショウガは包丁の腹で潰して粗みじん切りにし、ピーナッツは軽く炒っておく
- 玉ねぎは1/4を粗みじん切り(カレーペースト用)、残りをざく切りにする
- じゃがいもは一口大、ライムは皮を爪くらいの大きさに削いでみじん切りにする
- にんにく、しょうが、玉ねぎ、ライムの皮、干し海老、イカの塩辛、種を抜いた鷹の爪、カレーパウダー、塩をミキサーに入れて滑らかに撹拌する
- 深めのフライパンに油を注ぎ、カレーペーストを強火で炒める
- 水分が飛んでまとまってきたら、ざく切りにした鶏もも肉を入れて炒める
- 鶏もも肉の色が変わったら、ココナッツミルクを入れて沸騰させ、水100ccを加えてじゃがいもと玉ねぎと炒ったピーナッツを入れる
- 再沸騰したら砂糖、ナンプラー、ライムの絞り汁を入れ、蓋をせず弱火で15分煮込む
カレーペーストを炒めるとき飛び跳ねるので、やけどには気をつけましょう。
カルダモンのレシピ3選【スイーツ系】
次にホッと一息入れたいときにおすすめなスイーツ系カルダモンレシピを紹介します。
①マサラチャイ
カルダモンを使った甘いドリンクといえばマサラチャイが有名です。
砂糖はたっぷり、豊かなコクと強い甘みが本場の味です。
材料(2人分)
- 水 60cc
- カルダモン(ホール) 2粒
- シナモンスティック 1本
- クローブ 1粒
- ショウガ 1片
- 牛乳 200cc
- 紅茶葉 小さじ2
- 砂糖 大さじ1~
マサラチャイに使う紅茶葉は、コク深く煮出しやすいアッサムやセイロンのCTCがおすすめです。
作り方
- カルダモンは乳鉢か包丁の腹で潰し、シナモンは半分に折り、ショウガはスライスしておく
- 鍋に水とスパイス類全てを入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして2分ほど煮る
- 紅茶葉を入れ、葉が開いたら牛乳を砂糖を加えて弱火のまま3分ほど煮る
- スパイス類を濾しながらカップに入れ、お好みでシナモンやカルダモンパウダーをふる
お湯ではなく水からスパイスを煮出すのが、香り高く仕上げるコツです。
②自家製クラフトコーラ
クラフトコーラを作るためにスパイスを買っている人も近年増えています。
パウダーを使うと粉っぽくなるので、ホールで作りましょう。
材料
- 砂糖 300g
- 水 400cc
- レモン 1個
- クローブ(ホール) 10粒
- カルダモン(ホール) 6粒
- シナモンスティック 2本
- 黒コショウ(ホール) 10粒
- バニラエッセンス 10滴
こちらはコーラシロップが500cc、コーラにすると約10杯分の分量です。
作り方
- レモンは5mm幅に薄切り、カルダモンは乳鉢か包丁の腹で潰し、シナモンは半分に折る
- 鍋に分量のうちの砂糖100gと水大さじ2を入れて混ぜながら中火で熱す
- 濃い茶色になってとろみが出たら一度火を止め、残りの水を半量ずつ加えて弱火で加熱する
- 沸騰してきたら残りの砂糖200gとスパイス類を入れ、弱火で10分ほど煮込む
- 煮込んだら粗熱をとって耐熱容器にレモンと一緒に入れる
- 冷蔵庫で1日寝かせる
できあがったコーラシロップは、50ccに対して炭酸水100ccで割るのが目安です。
③カルダモンとシナモンのクッキー
クッキーにカルダモンなどのスパイスを混ぜれば、複雑に香る大人のクッキーになります。
材料
- 薄力粉 150g
- アーモンドパウダー 100g
- シナモンパウダー 小さじ1
- カルダモンパウダー 小さじ1
- ナツメグパウダー ひとつまみ
- 無塩バター 120g
- 砂糖 180g
- 卵 1個
このスパイス配合で作るケーキもおすすめです。
作り方
- 粉類を全て合わせてふるっておく
- 常温に戻したバターをボウルで練り、砂糖を加えてすり混ぜる
- 溶いた卵を少しずつ加えて混ぜる
- 粉類を一気に入れ、ゴムベラでさっくりと混ぜる
- 生地を丸めて1時間ほど冷蔵庫で寝かせる
- 生地を4mm程度に伸ばし、型抜きして160℃に予熱したオーブンで25分焼く
オーブンの機種によって焼き具合が変わるので、様子を見ながら焼きましょう。
カルダモンを使ったおかずアレンジレシピ3選
ここでは献立の副菜にぴったりなおかず系レシピを集めました。
①タンドリー風味のカリフラワー
カリフラワーは味が淡白なので、スパイスの風味が引き立ちます。
材料
- カリフラワー 1株
- ヨーグルト 100g
- ガラムマサラ 大さじ1/2
- カルダモンパウダー 大さじ1/2
- 塩 小さじ1/2
- はちみつ 小さじ2
- オリーブオイル 大さじ1
- にんにく、ショウガ 各1片
ガラムマサラにもカルダモンが含まれますが、より香りを強めるために別途追加しています。
作り方
- カリフラワーは洗って水気を切り、葉と芯を取り除く
- 調味料を全て混ぜてカリフラワーに塗り込み、1時間以上おく
- 200℃のオーブンで40分焼く
オーブンで焼いた後に房を切り分け、ドライパセリをかけると見た目も華やかです。
②カルダモンの肉みそ
ただの肉味噌も、カルダモンの香りが加われば格段に風味が豊かになります。
そのままでも卵焼きの具などのアレンジも楽しめます。
材料
- 豚ひき肉 300g
- 白味噌 120g
- カルダモンパウダー 大さじ1
- 日本酒 50cc
- ショウガ(すりおろし) 10g
ショウガ10gは親指の第一関節ほどまでくらいの大きさ、すりおろすと小さじ2杯程度です。
作り方
- 白味噌、カルダモン、日本酒、ショウガを混ぜておく
- 豚ひき肉をフライパンで強火で炒め、色が変わったら火を弱めてキッチンペーパーで余分な脂をとる
- 調味料をフライパンに入れて煮詰める
味噌は焦げやすいので、豚ひき肉の色が変わったらずっと弱火にしておきましょう。
③カルダモンとマッシュルームのパスタ
油分が多くクリーミーな風味のくるみは、カルダモンと相性抜群です。
豊かなコクのくるみチーズソースを合わせていただきます。
材料(3人分)
- クルミ 120g
- にんにく 1片
- パルミジャーノ 大さじ3
- クリームチーズ 50g
- 豆乳 100cc
- カルダモンパウダー 小さじ1
- 薄切りマッシュルーム 3個分
- スパゲッティ 180g
- オリーブオイル、黒コショウ、塩、くるみ 適量
くるみソースは、多く作って保存しておいてもOKです。
作り方
- くるみをフライパンかオーブンで香りが出るまで炒る
- フライパンにオリーブオイルと潰したにんにくを加えて火にかける
- 香りが出たらパルミジャーノとクリームチーズ、豆乳、カルダモン、味をみながら塩を加える
- フードプロセッサーでペースト状にする
- スパゲッティを1リットルのお湯に対して大さじ1の塩の分量で茹でる
- フライパンにオリーブオイル、薄切りマッシュルーム、ペーストしたくるみソースを入れて混ぜる
- ソースがもったりしている場合は、パスタの茹で汁を加える
- 盛り付けて黒コショウと砕いたくるみ、パルミジャーノを乗せる
作ったくるみソースは、パンにつけて食べても美味しいです。
カルダモンを使った飲み物&スイーツアレンジレシピ3選
カルダモンは、ドリンクやスイーツなど、カフェで出せるようなレシピにもぴったりです。
①カルダモンコーヒー
カルダモンを使えば、いつものコーヒーもグレードアップします。
爽やかさとスパイシーさが加わったコーヒーは、アイスで飲むと美味しく飲めます。
材料(2杯分)
- レギュラーコーヒー 30g
- お湯 280cc
- カルダモン(ホール) 1粒
- 大きめの氷 適量
コーヒーは酸味が控えめでコク深いアイスコーヒー用のレギュラーコーヒーがおすすめです。
作り方
- さやに傷をつけたカルダモンをホールごとコーヒーサーバーに入れる
- その状態でホットコーヒーを作る
- グラスに氷を入れ、コーヒーが熱いうちに注いだらカルダモンを取り出す
ブラックでも美味しいですが、お好みで甘みをつけたりミルクを注いでも美味しいです。
②カルダモンくるみの黒糖がけ
美容に良い栄養が豊富なくるみは、黒糖とカルダモンと合わせると食べやすく美味しいおやつに変身します。
このレシピならフライパンひとつで簡単にできます。
材料
- くるみ 70g
- 黒糖 30g
- カルダモンパウダー 小さじ1/4
- 塩 ひとつまみ
- オリーブオイル 適量
塩はなくても構いませんが、かけることで黒糖の甘みとコクが引き立ちます。
作り方
- 黒糖はチャンクタイプの場合は砕き、カルダモンパウダーと合わせておく
- くるみをフライパン(中火)やオーブンで香りが出るまで乾煎りする
- そこに黒糖とカルダモン、オリーブオイルを加えて混ぜる
- 器に取り出して塩を振りかける
黒糖を加えたら、焦げないように常にかき混ぜましょう。
③カルダモントリュフ
カルダモンは乳製品との相性が良いので、チョコレートとも合います。
クリスマスやバレンタインなど、特別な日のスイーツや贈り物としてもおすすめです。
材料(約20個分)
- チョコレート 200g
- 生クリーム 100cc
- カルダモンパウダー 小さじ1
- 無糖ココアパウダー 適量
材料はたったのこれだけです。
生クリームは植物性のものでもできますが、動物性のものだと濃厚なミルクのコクを味わえます。
作り方
- 鍋に生クリームを入れて沸かす
- 生クリームが沸騰したら刻んだチョコレートとカルダモンパウダーを入れる
- チョコレートが溶けて滑らかになったら、バットに入れて冷凍庫で冷やす
- 固めたチョコレートは包丁で切り分け、両手で丸める
- ココアパウダーをまぶす
生クリームは沸騰させると分離しやすくなるので、沸いたらすぐチョコレートを投入しましょう。
カルダモンを使ったアレンジレシピで楽しいスパイスライフを!
カルダモンは独特の香りがあるものの、おかずにもスイーツにもドリンクにも使えるすぐれものです。
少しのコツで香りを引き立てつつ美味しく仕上がるので、今回紹介したレシピを参考に作ってみてください。
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