メースの上手な使い方やおすすめレシピを紹介!
スパイスと言えばカレーに使われるイメージが強いですが、メースはお菓子作りで活躍するスパイスです。
メースの芳醇で甘い香りは、焼き菓子に一振りかけたり牛乳と一緒に煮込んで香りづけすることで、いつもの料理が味わい豊かになります。
今回はメースの使い方や、当サイトおすすめのレシピをご紹介します。
メースとは?
まずはメースとはどのようなスパイスなのか、概要を解説します。
ナツメグと同じ植物が原料
ナツメグと同じ植物が原料
- 原料はニクズク属樹木から採れる果実
- 種子はナツメグ、種皮はメース
- 香り成分は同じ
ニクズク属樹木から採れる果実を割り、中の種を包み込んでいる種皮のことをメースと呼びます。
この中の種を天日干しにして乾燥させ、挽いたものがナツメグです。
つまりナツメグとメースは同じ樹木から採れるもの、香りの成分も同じですが配合量が違います。
メースとオランダの面白エピソード
ナツメグもメースもオランダを中心に西洋で愛されてきたスパイスで、非常に高値で取引されていました。
実は17世紀から150年近く、オランダはナツメグの独占栽培をするために、生産地であるバンダ諸島を征服した歴史があります。
しかし、オランダ政府はナツメグをメースが同じ樹木から採れるものとは知りませんでした。
そのため「ナツメグより値段の高いメースの樹を植えろ」と指示した記録も残っています。
メースとナツメグは現代では同じ樹木から採れるものとして知られていますが、数百年前にはこんな面白エピソードもあったそうです。
やわらかな香りはお菓子によく使われる
やわらかな香りはお菓子によく使われる
- ナツメグより穏やかな香味
- ひき肉やじゃがいも料理
- お菓子作りにもよく使用されている
ナツメグはピリッとした刺激や香りが強いですが、それに比べてメースは穏やかで繊細です。
そのため、ナツメグがよく使われるハンバーグなどのひき肉料理やじゃがいも料理のほか、スイーツにも利用されています。
ドリンクにも使われており、チャイやスパイスティーに入れることもあります。
メースと相性の良い食材と5つの使い方
ナツメグはお肉料理、メースはお菓子に使われることが多いですが、それは香りの強さによるものです。
ピリッと強い刺激よりも、甘い香りをさりげなく足すのに効果的なメース、具体的にどんな食材と相性が良いのか見てみましょう。
1,ミルクプリン
1,ミルクプリン
- メールの香りはミルクと相性が良い
- ミルクの甘味をひきたてつつ臭みを消す
独特の甘くてエキゾチックな香りを放つメースは、乳製品と相性が良いです。
牛乳と合わせるとミルクの甘い風味を生かしつつ、臭みを消す役割も持っています。
ミルクプリンを作るときは、牛乳を温めるときに一緒にメースを種皮ごと加え、煮立ったらメースを取りましょう。
2,チーズケーキ
2,チーズケーキ
- チーズ系とも相性◎
- パウダーを最後に入れるのがコツ
乳製品と相性の良いメースは、もちろんチーズ系スイーツに使ってもOKです。
チーズの風味を邪魔することなく、程よく甘い香りをつけることができます。
チーズケーキにメースを入れるなら、ケーキ生地を混ぜるときにパウダー状のメースを最後に加えます。メースはパウダーにすると香りが飛びやすいため、一番最後に加えるのがポイントです。
3,マーマレードなどのジャム
3,マーマレードなどのジャム
- ジャムをより複雑で芳醇な香りにしてくれる
- かんきつ系ジャムととくに相性◎
ジャムにメースを加えることで、より香りが芳醇になる上にフルーツの青臭さを取り除いてくれます。
メースに含まれる香り成分α-ピネンは、かんきつ系に似た香りなのでオレンジやみかんのジャムと相性が良いです。
一緒にフルーツと一緒に煮込んでメースを取り出すか、仕上げにメースのパウダーをふりかけましょう。
4,プラリネなどのナッツ菓子
4,プラリネなどのナッツ菓子
- シンプルなナッツ菓子にも◎
- メースの香りでより味わい深く
- 最後にパウダーをかけるだけ
プラリネなど、シンプルにナッツを美味しく食べるお菓子にも、メースは大活躍します。ナッツを噛んだ後に鼻にのぼってくるメースの香りによって、より味わい深くなります。
プラリネを作るときも、やはり最後にパウダーをひとふりするのが鉄則です。ほんの少量でも香りがつくので、かけすぎに注意しましょう。
5,パウンドケーキなどの焼き菓子
5,パウンドケーキなどの焼き菓子
- メースは焼き菓子に使うのが定番
- 生地にパウダーを練り込んで焼くだけ
メースを使ったお菓子と言えば、パウンドケーキやクッキーなどの焼き菓子も定番です。
生地にパウダーを練り込み、いつも通りに焼くだけでメースの香りをつけることができます。焼き菓子に甘い香りがつくことで、より五感で楽しめる香り高いスイーツになります。
メースの使い方おすすめ5つのレシピ
メースは日本ではなかなかお目にかからないスパイス、どう使ったらいいのかわからない人も多いです。
ここでは、メースを使った具体的なレシピをお菓子中心に5つご紹介します。
ホールメースのシンプルプリン
材料
- 牛乳 200ml
- 生クリーム 50ml
- ホール状のメース 1つ
- 粉ゼラチン 5g
- 砂糖 20g
- お水 50ml
牛乳だけでなく、生クリームを入れることでコクのある味わいに仕上がります。
作り方
- 水に粉ゼラチンを振り入れて20分ほどふやかす
- 鍋に牛乳を入れ、メースを入れて少し柔らかくなるまで浸す
- 生クリームを砂糖を鍋に入れて火にかける
- 沸騰する直前に火からおろしてメースを取り除く
- 水ごとゼラチンを入れて混ぜ、しっかり溶かす
- 型に入れて冷蔵庫で冷やせば完成
ゼラチンをふやかすときは、水に振り入れるように入れるのがポイントです。
ドバっと一気に入れるとふやかしにくくなり、ダマになって舌触りが悪くなります。
メース香るメレンゲパイ
材料
- タルト台6号 2つ
- 牛乳 400ml
- ホール状のメース 1つ
- コーンスターチ 大さじ3杯
- 薄力粉 大さじ2杯
- 砂糖 大さじ4杯
- 卵 2個
- 砂糖 大さじ2杯
卵は卵白と卵黄に分けておきましょう。砂糖は中のクリームとメレンゲ、別々に使います。
作り方
- 鍋に牛乳とメースを入れて火にかけ、沸騰直前で火を止めたら粗熱を取る
- 別の鍋にコーンスターチ、薄力粉、砂糖を入れて混ざったら卵黄を加えて混ぜる
- メースを取り除いた牛乳を少しずつ加え、混ぜながら弱火にかけてクリーム状にする
- クリームをタルト台に流しいれ、その上に砂糖大さじ2を入れたメレンゲ(卵白)を乗せる
- 200度のオーブンで表面に焼き色がつくまで5分ほど焼く
手順は多いですが、あらかじめ中のクリームを作っておけば簡単です。
タルト台はパイシートから作ってもOK、型に合わせてクリームの量を調整しましょう。
スパイスキャロットケーキ
材料
- すりおろしにんじん 1本分
- 薄力粉 100g
- ベーキングパウダー 5g
- 砂糖 50g
- バター 60g
- 卵 1個
- アーモンドプードル 30g
- メース(パウダー) 小さじ1杯
にんじんは中くらいの大きさのものを1本、フードプロセッサーなどで粉砕してもOKです。
作り方
- 常温で柔らかくしたバターと砂糖を泡立て器で白っぽくなるまですり混ぜ、といた卵も混ぜる
- すりおろしにんじんにアーモンドプードル、振るった薄力粉とベーキングパウダーを混ぜたら1のボウルに加える
- 全体が混ざったらパウンド型に入れ、180度のオーブンで25分焼く
お好みでシナモンのパウダーを加えても大丈夫です。メースの香りでにんじんの青臭さが飛んで、美味しくいただけます。
メース風味のアーモンドプラリネ
材料
- アーモンド 80g
- 砂糖 170g
- 水 200ml
- メース(パウダー) 少々
こちらは6人分の分量です。
少量作りたい場合は、分量を調節しましょう。
作り方
- 鍋に砂糖と水を入れ、中火にかける
- アーモンドを入れ、キャラメルのようにトロリと茶色になるまで加熱しながら混ぜる
- 表面が茶色になったら火からおろし、クッキングシートの上に並べて冷ましたらパウダー状のメースをかける
このレシピでは、最後にパウダーのメースを振りかけます。
香りがかなり強いので、少しだけで十分です。
メースやスパイスを感じるブレッドクッキー
材料
- 無塩バター 120g
- プレーンヨーグルト 80g
- 小麦粉 250g
- ジンジャーパウダー 小さじ2杯
- シナモンパウダー 小さじ1杯
- メースパウダー 小さじ1/2杯
- クローブパウダー 小さじ1/4杯
- ベーキングパウダー 小さじ1/4杯
- 塩 小さじ1/4杯
- 砂糖 120g
- 卵(Lサイズ) 1個
こちらはメースに他のスパイスを加え、香り豊かに仕上げたプレーンクッキーです。ピリッとした刺激は控えめなので、子どものおやつにもぴったりです。
作り方
- スパイスと小麦粉、ベーキングパウダーと塩をふるっておく
- 別のボウルでバターをクリーム状に練り、砂糖をすり混ぜる
- バターと砂糖が滑らかに混ざったら、ヨーグルトと溶き卵を加えて混ぜる
- 粉類を混ぜてひとまとめにしたら、冷蔵庫で生地を1時間ほど休ませる
- 生地を綿棒で伸ばし、型抜きしたら180度に加熱したオーブンで10分ほど焼く
生地が硬い場合はヨーグルト、柔らかすぎる場合は小麦粉を足して調整しましょう。
型抜きしにくい場合は、冷蔵庫でしっかり冷やすとやりやすくなります。
メースは使い方次第でいつもの料理がワンランクアップするスパイス
メースは、洋食を中心にお菓子にも使える万能なスパイスです。軽く一振りするだけで豊かな香りを与えてくれるので、いつもの料理がワンランクアップします。
とくにお菓子をよく作る人にとっては、メースは心強いスパイスです。チャイなどのドリンク、プリンやジャム、焼き菓子など、幅広いお菓子作りにメースを役立てましょう。
※画像はイメージです
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