アガベシロップの効果効能や体に悪いと言われる理由を解説
近年注目を集めているアガベシロップ、ダイエットや健康効果もあると謳われているだけあって女性を中心に人気です。
しかしその一方でアガベシロップは健康に悪い、太るといった噂もあります。
どういった成分が健康やダイエットに影響するのか、アガベシロップの効果効能や噂の真相を詳しく解説します。
アガベシロップとは?
まずはアガベシロップについて、概要を解説します。
リュウゼツランから作られる天然甘味料
アガベシロップとはその名の通りアガベからとれる甘味料です。
アガベとはスペイン語で「リュウゼツラン(竜舌蘭)」を意味し、メキシコや南アメリカ大陸の乾燥地帯を中心に自生する多肉質な葉と棘を持つ植物です。
テキーラの原料として広く知られており、種類は約300種類にも及びます。
アガベのほとんどの品種は、低温にも高温にも耐える非常に剛健な特色を持っています。
アガベシロップの原料は、端を切り落とした後に残る株にあたる部分を使います。
この端を切り落として残った株を細かく砕き、抽出したものがアガベシロップとなります。
アガベシロップは砂糖よりも甘い!
アガベシロップがここまで注目を集めているポイントの一つが、甘みの強さです。
人によって甘さの感じ方は違いますが、一般的に砂糖よりも感じる甘みは1.3~1.6倍とされています。
そのためスイーツや料理にアガベシロップを使えば、砂糖の量が減らせるので糖尿病対策やダイエットにぴったりです。
甘味料なのにGI値が少ない
GI値については後の見出しで詳しく解説しますが、アガベシロップは結構上昇指数が「21」です。
この数値は代表的なフルーツ類よりも低い値です。
フルーツの中でもGI値が低いとされているイチゴやアボカドと同じかそれより低いくらいなので、甘味料としては驚異的な数値であることがわかります。
熱に強いので料理にも使いやすい
植物の中には加熱したら栄養価が飛んでしまうものもありますが、アガベシロップに含まれる栄養素は熱に強いものが多いです。
その代表的なものが、抗酸化作用のあるケルセチンやケンペロールなどのポリフェノール類です。
さらにこれらのポリフェノールは水にも脂にも溶けやすく、他の調味料や食材と合わせることで相乗効果を発揮します。
またアガベシロップには食物繊維も含まれています。
食物繊維は加熱しても吸収しやすさは変わらないので、温めても効果を発揮できます。
アガベシロップが持つ3つの効果・効能
ここまでアガベシロップについて概要を解説しました。
ここではアガベシロップに含まれる栄養価や、効果効能について詳しく説明します。
①低GIで血糖値の上昇が緩やか
GI値とはグリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食べ物を食べた後に上昇する血糖値の度合いを示した指数です。
つまりGI値が高いものを食べた後は、血糖値が急上昇してしまいます。
血糖値が急激に上がると糖尿病の引き金になるほか、肥満の原因にもなるのでダイエットしたい人も注意したい数値なのです。
一般的にGI値は55以下が低GIとされていますが、アガベシロップは21とかなり低いのが特徴です。
甘味料なのに摂取しても血糖値が上がりにくく、インスリンの過剰分泌を抑えてくれます。
②腸内環境を整える
アガベシロップには水溶性食物繊維「イヌリン」が含まれています。
イヌリンはサプリメントとしても売られており、善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれます。
そのため便秘の解消や予防にも効果を発揮します。
さらに嬉しいのが、イヌリンは数ある食物繊維の中でも資化率(腸内細菌の餌になる割合)100%の成分であることです。
胃で消化されず腸まで届き、効率よく腸内環境を整えてくれるので便秘持ちの人にはうってつけです。
③抗酸化作用(アンチエイジング)
アガベシロップに含まれているポリフェノールは、主にケルセチンとケンペロールの2つです。
ケルセチンは活性酸素を除去し、肌トラブルや老化を防いでくれます。
またケンペロールはガンや生活習慣病の発症を抑え、体を健やかに保ってくれます。
どちらも美容や健康にとても役立つので、積極的に摂りたい成分です。
アガベシロップは体に悪い?
アガベシロップがいかに健康によく、効能が高いかを解説しましたが、それゆえに気になるのが副作用です。
健康に良いとはいえ体に悪い成分はないのか、目安はどのくらいかは知っておきたい知識です。
最後にアガベシロップを健康に役立てるためにも、注意点や副作用について解説します。
摂り過ぎなければ大丈夫
アガベシロップは体に良い成分が多いとは言え、摂りすぎは体に毒です。
詳しくは下記で説明しますが、アガベシロップに含まれる成分は過剰摂取することで様々な悪影響を及ぼします。
またアガベシロップは砂糖よりも甘さが強い分、舌が甘みに慣れてしまうことでより欲しくなってしまう危険性もあります。
どんな甘味料であっても摂り過ぎは体に悪い
どんなに健康的な甘味料であっても、結局摂りすぎは良くない影響が出てきます。
世の中に完璧な食材はありませんので、量を調節したり色々組み合わせることで被害を最小限に抑えることができます。
目安としては、いつも使う砂糖の量を25%ほど減らし、減らした分をアガベシロップで賄うようにしましょう。
あくまで目安なので、甘さを足したいときは少し増やしても大丈夫です。
アガベシロップが体に悪いとされる理由
アガベシロップが体に悪いと言われている原因は、含まれている成分にあります。
また製造方法についても注意が必要なので、これからアガベシロップを買うなら注意しておきましょう。
①肝臓に負担をかけるおそれがある
アガベシロップは、成分のほとんどがフルクトース(果糖)です。
一般的な糖質は筋肉でもエネルギーとして使えますが、フルクトースは体内のどこに行っても使い道がありません。
そのため肝臓の代謝に頼るしかなく、摂りすぎてしまえば中性脂肪として肝臓に蓄積され、どんどん肝臓の負担が大きくなってます。
②満腹感が得られにくい
こちらもアガベシロップに含まれるフルクトースの特色で、満腹感が得られにくくなります。
甘さは砂糖より高くても、満腹感が得られにくいと過剰摂取してしまう原因になります。
満腹感が得られないから過剰に摂取してしまい、その強い甘さに慣れてしまった結果また甘いものを欲してしまっては言語道断です。
③製品によってはアガベの樹液以外のものも含まれている
アガベを育ててシロップを抽出するまでは、実は5年ほどの年月がかかります。
そのためアガベの樹液100%ではない、安価な製品も中には含まれています。
他の甘味料を添加して安価なアガベシロップとして販売しているものもあるので、購入するときは原材料のチェックを欠かさず行いましょう。
摂り過ぎに注意しつつアガベシロップの良い効能を活用しよう!
アガベシロップは摂りすぎには十分注意が必要ですが、低GI値でポリフェノール豊富と体に嬉しい一面もたくさんあります。
まずは、砂糖の一部をアガベシロップに変えてみることからチャレンジしてみてください。
また樹液独特のコクのある味わいは日本人に向いており、煮物(特に和食)やスイーツ、ドリンクと幅広く使えて便利です。
適量であればアガベシロップのメリットを享受できるので、摂りすぎに気をつけつつ活用しましょう。
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