メーススパイスの効果や効能を解説!副作用も紹介

一般的なスパイスは種子を乾燥させたものが多いですが、メースは樹皮から作られます。
少量でも甘くて豊かな香りを持ち、スイーツにも料理にも使える万能さを持っています。
しかも、メースは様々な効果効能を持っており、いくつかの健康効果が期待されているスパイスです。
今回はメースについて、使い方や効果効能、メリット・デメリットを解説します。
メーススパイスとは?
まずはメースというスパイスについて、基本情報を解説します。
ナツメグと同じ樹木から採れるので、基本的にはナツメグと似ています。
ナツメグと同じ果実から採れるスパイス

- ニクズク属樹木の果実から採れる
- ナツメグは種子、メースは樹皮
- 風味や香りは似ている
ニクズク属樹木の果実からは、2種類のスパイスが採取できます。
ひとつが果実の周りを包む種皮であるメース、2つめは種子部分のナツメグです。
どちらも乾燥して使い、スパイスとして重宝されています。
同じ樹木から採れるスパイスなので風味や香りは似ていますが、メースの方が香りも刺激も穏やかです。
メーススパイスの特徴
メーススパイスは、カレーなどのエスニック系料理によく使われます。
価格はホール状で350円ほど、スパイスを多く扱っている大きいスーパーはもちろん、通販でも販売されています。
ピリッとスパイシーな刺激があるため、コショウやしょうがが代用として使われることが多いです。
メースがとくによく使われる料理は、主に以下の通りです。
お菓子やジャムに使われる

メースはほのかに甘い風味と香りがあるので、お菓子やジャムにも使えるスパイスです。
とくにぴったりなのがパウンドケーキなどの焼き菓子で、生地にメースのパウダーや香りを移した牛乳を練り込むことで風味と香りをつけてくれます。
メースはチャイなどのドリンクにも使えるうえ、かぼちゃは栗などほっこり系食材と相性が良いです。
ひき肉料理とも相性が良い

メースやナツメグの使い方で最も一般的なのは、ハンバーグなどのひき肉料理です。
ひき肉は脂肪分が多いので、脂の甘味をより引き立てるメースのような甘い香りとよく合います。
また独特の香りによって臭みを消してくれるので、美味しさをより引き立てます。
メーススパイスの効果と6つの効能
それではメースの効果効能について、ひとつひとつ詳しく見てみましょう。
1,腸内環境を整える

- 下痢を抑える作用
- 香り成分ミリスチシンが腸の収縮を抑える
- 穏やかに作用する
インドの伝統医学アーユルヴェーダでは、メースは下痢を抑えたり腸内環境を整えると言われています。
これはメースの香り成分ミリスチシンによるもので、腸の収縮を抑えて軟便が出る回数を減らしてくれます。
ナツメグよりも刺激が控えめなので、穏やかに効いてくれるのも嬉しいポイントです。
2,胃の健康を保つ

- αピネンが胃の消化を促す
- 消化不良や膨張感に効く
- 胃腸の漢方薬によく使われている
メースは、胃腸系の漢方薬によく使われてきた歴史があります。
メースの独特の香りにはαピネンと呼ばれる成分が含まれており、パイナップルのような爽やかさが特徴です。
αピネンは消化酵素の分泌を促し、食べたものの分解を助け、消化不良やおなかの膨張感を軽減してくれます。
3,精神を健やかに保つ

- 香り成分αピネンがリラックス効果あり
- ストレスや緊張を和らげる
- αピネンで副交感神経が優位になるとの研究結果あり
メースに含まれるαピネンは、神経系を落ち着かせる効果があります。
αピネンは樹木によく含まれている香り成分で、少量でもストレスや不安、神経の緊張を和らげるのに効果的です。
人工気候室内でαピネンを嗅いでもらうと副交感神経が優位になり、リラックス効果をもたらし精神を健やかに保つ研究結果もあります。
4,体を温め冷え性を改善

- ビタミンB類を含有
- 糖や脂質をエネルギーに変える
- αピネンには発汗作用もある
メースには、ビタミンB1とB2が含まれています。
このビタミンB1とB2は、糖や脂質をエネルギーに変えてくれます。
糖や脂質をエネルギーに変える過程で熱が発生し、新陳代謝が上がることで体を温めるのに効果的です。
また、香り成分のαピネンには発汗作用があるので、ダブルで冷えを改善してくれます。
5,痛みを抑える効果

- オイゲノールが鎮痛効果
- 現代では歯科でも使われている成分
- 古代中国から鎮痛剤として利用
メースには、オイゲノールと呼ばれる香り成分が含まれています。
このオイゲノールは古来から鎮痛剤として親しまれてきた歴史があり、現代では歯科で歯痛や歯肉炎などの治療にも用いられています。
局所的な鎮痛剤として使われており、痛みを抑えるのに効果的です。
6,口臭予防と改善

- オイゲノールには殺菌効果もある
- 口内の細菌の増殖を防ぐ
鎮痛効果のあるオイゲノールという成分は、滅菌や殺菌効果もあります。
そのため、摂取するだけで口内の細菌を減らして口臭を予防してます。
メーススパイスの1日の摂取量

メースは上記のような優れた効能効果がある反面、刺激が強いため副作用もあります。
摂り過ぎには注意して、1日の摂取量を超えないようにしましょう。
1日5gを超えないように
- 1日5gほどが目安
- 10g入り瓶の場合1/本
- かなり多い量なので外食などで心配する必要はない
メースと同じ植物の種子である、ナツメグの場合は1日の許容量は5gほどと言われています。
メースはナツメグよりも刺激が穏やかとはいえ、薬効効果もあるスパイスなので5gを超える量を摂取するのはおすすめしません。
メース瓶に入ったパウダー状のものだと10g入りが多いので、5gは瓶1/2本分です。
摂りすぎNGとは言え1日5gのメースはかなり多い量なので、自分で料理を作るときにメースを入れすぎなければ問題ありません。
重い副作用の報告もあり
- 過剰摂取によって副交感神経の働きが鈍る
- 大量発汗、顔のほてりなどの副作用
- 症例は生のナツメグによるもの
2007年公開の論文によると、ナツメグの過剰摂取によって副交感神経の働きを抑える抗コリン作用に似た症状が起こることがわかっています。
副交感神経の働きが鈍ると、大量発汗、顔のほてりや幻覚などの症状が起こります。
しかし、これらの副作用はメースではなく、生のナツメグによって起こっています。
そもそも1日5gのメースを取り入れるのはそれほど簡単ではないので、摂りすぎないよう気を付けるくらいで十分です。
メーススパイスのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・いつもの料理がワンランクアップ ・ナツメグより上品な風味を楽しめる ・さまざまな健康効果が期待できる | ・中毒や過剰摂取に注意 ・劣化が早く香りや効果が薄れやすい |
メースにはたくさんのメリットがある一方で、デメリットもあります。
両方理解した上で、上手にメースを取り入れて健康に役立てましょう。
メーススパイスのメリット
まずはメースのメリットから紹介します。
やはりメースの効能の高さと味わいは大きな魅力です。
いつもの料理がワンランクアップ
メースは、いつものホットドリンク(ミルクココアやミルクティーなど)や料理にひとふりかけるだけでエスニック風の香りがつきます。
香り高い飲み物になるだけでも、満足感がアップして美味しさも引き立ちます。
ナツメグより上品な風味を楽しめる
メースよりもナツメグの方が世間では一般的なスパイスですが、料理やスイーツに使える幅広さはナツメグより上です。
メースはナツメグより風味や刺激は控えめなので、ピリっとした辛みが苦手な人でも使えます。
さまざまな健康効果が期待できる
メースの成分は、上記の効能効果に加え白血病やアルツハイマーに関する研究が行われています。
まだまだ研究途上ではありますが、他にも健康効果があるのではと期待されているのもメースの特徴です。
メーススパイスのデメリット
一方でメースのデメリットは、過剰摂取によるものが大きいです。
また、パウダー状だと劣化が早い点にも注意しましょう。
中毒や過剰摂取に注意
メースによる中毒症状は症例が発見できませんでしたが、ナツメグに関しては症例が多数あります。
メースとナツメグは同じ植物で部位が違うだけなので、過剰摂取には注意が必要です。
劣化が早く香りや効果が薄れやすい
メースはパウダーで使うことが多いスパイスですが、パウダーは劣化が早く香りが飛びやすいデメリットがあります。
ホール状のメースは、ソースで煮込んだりマリネなどの漬け込み液に入れて使いましょう。
パウダーは、開封したら香りを楽しめるうちにできるだけ早く使い切るのがおすすめです。
メーススパイスを上手に取り入れて美味しく健康になろう!

メースは少量でも豊かな香りを堪能でき、効果効能もたくさんある優秀なスパイスです。
ペッパーやしょうがなど、他のスパイスと合わせつつ美味しく食事に取り入れましょう。
メースを上手に取り入れれば、毎日の健康維持に役立ちます。
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