インドのチャイの歴史やレシピを紹介

インドのお茶といえば「チャイ」が頭に浮かぶ人も多いことでしょう。
チャイは、日本でもお馴染みの飲み物として定着していますが、インドのチャイの歴史は意外と知られていないようです。
そこで今回は、インド・チャイの歴史を詳しく解説していきます。
また本格的なインドチャイのレシピも紹介していますので、ぜひ参考にご覧ください。
インドのチャイの歴史

インドのチャイの歴史を詳しく解説していきます。
起源は中国の「茶」
チャイ・紅茶の歴史は、紀元前の中国のお茶から始まります。
中国のお茶は、チベットの山岳地帯に自生していた常緑樹の茶葉を採取して作られました。
その後その中国茶が日本に伝わり、緑茶の元になる日本茶に進化しました。
お茶は、中国では有史以前から薬として飲用されていましたが、6世紀頃から飲み物として一般化していきます。
朝鮮半島や日本には古くから伝わっていたものの、お茶がヨーロッパへと伝わるのは17世紀頃になってからでした。
17世紀紅茶の誕生
紅茶は諸説ありますが、中国茶の茶葉をヨーロッパへ船で運ぶ際、長旅だったため茶葉が自然発酵し、紅茶が誕生したとも言われています。
このように誕生した紅茶は、17世紀頃にヨーロッパで流通し始めました。
紅茶は非常に高価な舶来品として、文化人や貴族の間で飲用されます。
その後、高価な茶に高価な砂糖を入れて飲むのが貴族の間で流行し、17世紀後半から喫茶習慣が根付き始めます。
イギリス国内の茶葉の需要が増えたことで、イギリスは中国から大量の茶を輸入するようになります。
イギリスは、この茶葉を自国の植民地で賄おうとした為、インドでの茶栽培が始まりました。
19世紀インドの紅茶産業のはじまり
紅茶は、中国以外の栽培は難しいとされていましたが、19世紀にインドのアッサム地方で自生種が発見された為、アッサム種として品種改良が始まります。
イギリス国内でも高い評価を受けたアッサム茶は、輸入から栽培へと切り替わって行きます。
生産の中心はアッサム地方へと移って行き、19世紀にインドの紅茶産業が確立しました。
インドで茶葉の栽培が始まった頃、紅茶はイギリスの高価な嗜好品で、高品質な茶葉は輸出に回ってしまいます。
インドには良質とは言い難い茶葉のみが残ることになり、この茶葉を使って美味しい紅茶が飲めないかと試行錯誤した結果、スパイスや牛乳、砂糖で煮だしたマサラチャイが誕生します。
インドのチャイがおすすめの理由

インドのチャイの歴史を解説してきましたが、ここからはインドのチャイがおすすめの理由を紹介します。
チャイをおすすめする理由を知って、日々の生活にチャイを取り入れましょう。
身体に効能があるスパイスを使用
インドは高温になる地域が多く、気温が50度を記録することもある国です。
そんな過酷な暑さのもとに暮らす人々は、生活に沢山のスパイスを取り入れ、そのスパイスが免疫力向上や疲労回復の一助となっています。
スパイスを沢山使ったチャイは、身体に良い効能があるため暮らしに欠かせない飲み物として、多くの人から愛されるようになりました。
チャイはスパイスが苦手な方でも飲みやすく、手軽にスパイスの効能を摂取できるおすすめの飲み物といえるでしょう。
①クローブ

チャイの良さはスパイスから得られる物が多いですが、使用するスパイスの種類によって効果・効能も違ってきます。
チャイのスパイスとしてよく使われるクローブは、紀元前300年の頃から鎮痛剤や防腐剤目的で使用されてきました。
また漢方の世界では、生薬のチョウジとして温中降逆といった胃腸を温め、体内の冷えを改善するための処方薬として使われています。
チャイに入れると味に深みと立体感を与えますが、火を通すと香りがより強く出ますので入れ過ぎには注意しましょう。
②カルダモン

カルダモンは、その高貴な香りからスパイスの女王とも呼ばれています。
カルダモンの身体への効果は、コレステロールや血流をコントロールするといわれます。
またスッキリとした清涼感ある香りは、リラックス効果もありストレス性の腹痛時にも効果が期待できます。
カルダモンの香りを嗅いで花粉症が軽減されたという方も多いようです。
③シナモン

トーストやドーナツなどにも使われるシナモンですが、シナモンは抗酸化作用、コレステロールの改善、血糖コントロール、血行改善などの効果効能があるといわれています。
また、シナモンに含まれているオイゲノールという成分には、リフレッシュ効果や疲労回復効果もありますので、勉強や仕事の合間に飲むとリフレッシュできておすすめです。
チャイを休憩時間に取り入れ、スッキリした気持ちで午後からの仕事や勉強に取り組んでみてはいかがでしょうか。
カフェインの摂取が可能
眠気覚ましと知られているカフェインですが、このカフェインの作用は、集中力を高める、体内の老廃物を排出する、自律神経の働きを高めるなどの作用効果ともいえます。
チャイは茶葉が使われていますのでカフェインが含まれていますが、コーヒーほどの量は含まれていません。そのため、カフェインの摂り過ぎが気になる方はコーヒーよりチャイがおすすめです。
朝はカフェインで眠気を覚ましたいけど、コーヒーは飲みたくないという人は、チャイでカフェインを摂取するといいでしょう。
本格インドのチャイレシピ

インドのチャイがおすすめの理由などを紹介してきましたが、ここからは本格インドのチャイレシピを紹介します。
チャイは、スパイスの種類や量は決まっておらず、家庭やお店によって違いますが、作り方にはちょっとしたコツが必要です。
コツを掴んで本格的なインドチャイを堪能しましょう。
用意するもの
まずは材料を用意しましょう。主な材料は、紅茶茶葉・スパイス(カルダモン・シナモン・クローブなど)・砂糖又は蜂蜜・牛乳・水です。
チャイ用の茶葉は、アッサムのCTC茶葉がおすすめです。
CTC茶葉とは、押しつぶして(Crush)引き裂いて(Tear)、丸める(Curl)製法で生産された丸い形の茶葉のことですが、このCTC茶葉を使うことでコクと旨味がある香り豊かなチャイになります。
スパイスはカルダモンをすり潰し、ロール状のシナモンは折っておきましょう。ジンジャーやナツメグなどプラスするのもおすすです。
作り方
鍋に水とスパイスを入れて色が出るぐらいまで煮だします。
スパイスを煮だしたあと茶葉を入れ、茶葉が踊りだしたら牛乳と砂糖を加えます。
沸騰する前に火を止めて、茶こしでこしながらカップに注いで出来上がりです。
茶葉やスパイスを煮だすタイミングや、茶葉・スパイスの量でチャイの味が変わりますので、何度か試してみて自分が好きな味に近づけるといいでしょう。
お菓子と一緒に味わうのもおすすめ
本格インドのチャイは、お菓子と一緒に味わうのもおすすです。
ビスケット・クッキー・スコーン・ケーキなどチャイと合うスイーツは沢山あります。
ビスケット・クッキーはシンプルで優しい味わいの物がマッチし、程よく乾燥したスコーンは、チャイに浸しながら食べるのがおすすです。
ケーキはシフォンケーキのようなシンプルな物が良く合います。和菓子との相性も良いですので、お気に入りのスイーツと一緒にチャイを楽しみましょう。
インドのチャイの歴史を知ってチャイを作ろう

インドのチャイの歴史から本格インドのチャイレシピまでを解説しましたが、チャイの魅力は伝わったでしょうか。
疲労回復や体調維持に、美味しいチャイを作って健康管理に役立てましょう。
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